エフェクターをまとめてかけたいときに使っているラインセレクターです。
知名度のわりに、リアルで使っている人をあまり見ないような気がします。
実際に使ってみると様々な用途があり、非常に便利な一台です。
そもそも何に使うものなのか
BOSS製品ということもあり、このLS-2の存在は楽器を始めた中学生当初から知っていたものの、一体何をするためのものなのか初心者時分には分からなかったのを覚えています。
最近の若いプレイヤーはスイッチャーにも馴染みがあるでしょうし、「使い方がさっぱり分からない」なんてことは無いのかもしれませんね。
一例として、私はLS-2を「コーラスとディレイを同時にONにしつつ、音量を若干ブーストする」という用途で使っています。

LS-2は、6モードの切替えセレクターと、ループA・ループBそれぞれのLEVEL(音量)コントロールを備えています。
ONにした状態のエフェクターをループAもしくはループB(※用途によってはその両方)に繋いでおくことで、LS-2を踏むだけでその信号ラインを切り替えることができます。
LEVELが音量のブースト・カット両方に効くというのも大きなポイントです。
各モードの機能については今時ネット上にいくらでも情報があるので、この記事では「ベーシストの自分だったらどう使うか」という目線で書いてみます。
A⇔Bモード
接続例:ループAにオーバードライブ、ループBにコーラスとリバーブ
ベーシスト目線でと言ったばかりですが、このモードはベースだとさすがにイメージしにくいので、ギターで使うことを想定します。
ギターのバッキングで、「リフ向けの歪んだ音」と、「アルペジオ用のコーラスとリバーブをかけた音」を使い分けたいとしましょう。
この場合、歪みエフェクターをループAに、コーラスとリバーブをループBに入れておけば、全く異なるエフェクターをかけた2種類の音色を一踏みで切り替えることが可能です。
BOSSのオフィシャル動画でもこのA⇔Bモードが紹介されています。
このように、複数のエフェクターで作った、全くタイプの異なる2つの音をワンタッチで切り替えられるわけです。
なお、左下のディレイはLS-2のOUTPUTから繋がれている(ループの外にある)ようです。
LS-2の操作に関係なく、有効になっているのがループAでもループBでもディレイがかかっているのが分かります。
A⇔BYPASSモード/B⇔BYPASSモード
接続例:ループA(またはループB)にコーラスとディレイ
2台以上のエフェクターを同時に踏むのは大変ですが、エフェクターをLS-2のループに接続しておけば、3台でも4台でも、複数のエフェクターをまとめてONにするのと同じことが一踏みで実現できます。
もう1度LS-2を踏めば、エフェクターを通さない状態に戻ります。
接続例:ループA(またはループB)にボリュームノブがないエフェクター
単に複数のエフェクターを同時ON/OFFするだけなら、よくあるループセレクターやスイッチャーと同じです。
LS-2の持つ大きな利点は、LEVELで音量調節が可能であることです。
なので、ボリューム調整機能がないのにONにすると妙に音が小さくなってしまうエフェクターや、逆に音が大きくなりすぎるエフェクターに音量調整機能を加え、実用的な音量で運用するという使い方もできます。
A→B→BYPASS→ モード
接続例:3本の楽器をINPUT・RETURN A・RETURN Bにそれぞれ繋ぎ、OUTPUTからアンプへ
踏むごとにバイパス→ループA→ループB→バイパス→…と順番に切り替わるモードです。
このモードの使い道としてオフィシャルに紹介されているのが、3つの楽器を持ち替えるためのインプットセレクターという用途です。
「いちいちシールドを抜き挿しせずに、LS-2を踏むだけで楽器からの信号を切り替えることが可能」という使い方ができます。
INPUTジャックに繋いだ楽器に関しては音量調節ができませんが、RETURN AジャックとRETURN Bジャックに繋いだ楽器にはLEVELコントロールが効くので、(アマチュアではあまりやらないと思いますが)ライブ中に複数のギターやベースを持ち替えるような場合でも楽器ごとの音量を揃えることができます。
A+B MIX→BYPASS→ モード
接続例:ループAにディストーション、ループBには何も繋がない
ベースで使う上で、多くの人にとって有用なのがこの繋ぎ方でしょう。
いわゆる「ブレンダー」とか「ドライミックス」と呼ばれるような、エフェクト音にドライ音を混ぜる手法が可能になります。
LEVEL A、LEVEL Bでエフェクト音とドライ音を細かく音量調整できるのも便利です。
接続例:ループAにディストーション、ループBにキルドライのディレイ
エフェクターは一般的に直列接続ですが、このモードでは並列接続ができます。
例に挙げたような接続をすれば、「歪んだ音が鳴ったあとにクリーンな音の残響がついてくる」というような、直列接続では不可能な音作りが可能になります。
いわば1本のシールドを2股に分岐し、別々のエフェクターを通したあとにまた1本に合体するようなことができてしまうわけです。
OUTPUT SELECT
接続例:3台のアンプにOUTPUT・SEND A・SEND Bかられぞれ繋ぐ
これまたアマチュアミュージシャン的には全くイメージしにくい使い方ですが、3台のアンプへの接続を足元で切り替えるような用途で使います。
なお、LS-2のLEVELコントロールはRETURNから入ってきた音声信号に効くようで、このモードだと各出力の音量は調節できません。
DC OUT機能
パワーサプライのアウトプットが足りないときなど、LS-2からお裾分けのような形で他のエフェクターに電源を分配することができます。
小さめのエフェクターボードで電源が1台分だけ不足するケースなど、何気に重宝します。
「センドリターンを逆に配置すべき」という意見について
この手のループセレクターは、エフェクターボード内での配線の都合上、右側にSEND、左側にRETURNのジャックがあるほうが便利です。
しかし、LS-2は逆で、右側にRETURN、左側にSENDが配置されています。
このことから、たまに「LS-2のジャックの配置はおかしい、逆にすべきだ」という意見を耳にします。
しかし、LS-2のこの「右側にインプットとリターン、左側にアウトプットとセンドが並んでいる」というジャック配置は、インプットセレクター・アウトプットセレクターの機能を用いるうえで必須でもあります。
配線の利便性を言い出すと、あとはPSM-5のように天面にジャックを配置するしかないのでは、と思います。
総評
という感じで、BOSSコンサイズの中に「これでもか!」というほどの接続切替え機能を詰め込んだ一台です。
実際いらない人にとっては全くいらない代物に思えるでしょうが、一つ持っていると「あ、こういうことできるんだ」という発見があるのではないかと思います。
なお、私が持っているのが近年製造(箱が黒色、5年保証になってから)のものだからかもしれませんが、よく聞く「音質劣化が酷い」という点に関しては「特にそんなふうには感じなかった」という点を書き添えておきます。
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