拡張性の高い、とても便利なパワーサプライです。
発売当時、大きな話題になったことを覚えています。
エフェクターへの電源供給は適当にやってた時期が長かったのですが、これを使い始めてから色々気にするようになりました。
電源にお金をかけるきっかけ
初めてエフェクターボードを組んだ頃、私は大容量のDC9Vアダプターにデイジーチェーンケーブルを繋いで、単純に電源を分岐させて繋いでいました。
しかし、アナログエフェクターとデジタルエフェクターが混在していたこともあってか、いつも「ブーン」というノイズに悩まされていました。
そこで導入したのが、大人気だったOne ControlのDistro(初期バージョン)でした。
当時のDistroは、出力端子の一つが12~18Vに対応しているというのが売りで、ちょうど18V駆動のエフェクターを使っていた私は「これだ!」と思いました。
ところが、残念なことにノイズの問題は全く解決しませんでした。
アダプターから適当に分配した電源とほとんど変わらなかったのです。
こうして「そこそこ高いパワーサプライだからといって、必ずしもノイズ対策がしっかりされているわけではない」と知った私は、18V駆動のエフェクターや、消費電流の大きいデジタルエフェクターが混在するエフェクターボードの電源をひとつにまとめるため、PT-1Dを導入しました。
製品の特徴
PT-1Dは、DC9V出力が8個(100mA×6個・500mA×2個)、AC100Vコンセントが4個(本体上部に3個、側面に1個)という、充実した出力を備えています。
ただし、DC9Vのパワーサプライ部分を使うには、専用のACアダプターを本体上部のコンセントに挿さなければいけないので、使えるコンセントは実質3個です。
とはいえ、スイッチャー等の電源を含めても、多くの人にとって十分ではないかと思います。
これを使っていた当時の写真が残っていました。
スイッチャー、ワーミー、18V駆動のPIGTRONIX EP-2にはそれぞれ専用のアダプターを接続し、その他のエフェクターにはパワーサプライの機能を使うことで、PT-1Dだけで電源供給が完結していました。

このパワーサプライの導入により、電源が原因と思われるノイズは全く気にならなくなり、演奏に集中できるようになりました。
エフェクターボードを小型化した際に手放してしまいましたが、なんだかんだでエフェクターの電源はこれが一番便利だったと今でも思いますし、信頼性の高い電源と言っていいと思います。
新モデル「PT-5D」との違い
現行モデルはPT-5Dとなります。
PT-1Dの「パワーサプライ機能のためにコンセントが一つ潰れる」という点が解消されており(※とはいえ使えるコンセントが3つである点は変わらない)、さらにデジタルエフェクター用の500mA出力は、コンセント機能を持たない後発製品であるPT-3Dと同様にアイソレート(独立)されているとのことです。
これはもう完全な正統進化モデルだと思うので、自分が今また買い直すとしたら、仮にPT-1Dの中古品が安く出ていたとしてもPT-5Dの方を選ぶと思います。
