前回に引き続き、地下鉄で回れる大阪の楽器店(ギター・ベース中心)について紹介します。
今回は、梅田周辺を指す「キタ」に対し、「ミナミ」と呼ばれる心斎橋・難波エリアです。
前回のキタ編はこちら。↓
キタ編の舞台だった梅田から、今回のスタート地点となる心斎橋までは地下鉄で約7分、運賃は240円です。
キタ編にも書きましたが、地下鉄で他にも色々移動するのであれば一日乗車券がお得です。
→エンジョイエコカード(リンク先Osaka Metro公式サイト)
心斎橋から難波にかけてのミナミエリアは、都会的なキタとはまた雰囲気の異なる繁華街です。
※昔のミナミ周辺を知る人向けの注意点
最初に、ゼロ年代ごろ以前にミナミ周辺の楽器店を贔屓にしていた方向けの注意点を少々。
今のミナミ楽器屋事情は当時と全く違うので注意が必要です。
かつては、心斎橋駅から地上に出てすぐ、移転前の心斎橋パルコにイシバシ楽器が入っていました。
その上の階が心斎橋クラブクアトロでしたね。
そしてすぐそばのビルが三木楽器心斎橋店。
ギターからベース、ドラム、キーボードにDJ機器まで揃っていました。
楽器関連の探し物は、心斎橋駅のごく近辺で完結した(見方を変えれば選択肢が少なかった)と言えます。
しかし、旧パルコの閉鎖に伴い、イシバシ楽器は2011年、心斎橋駅の南西に位置するアメリカ村と呼ばれるエリアに移転しました。
また、三木楽器は2016年に大幅リニューアルし、店舗を複数の専門店に分散。
以前からアメリカ村にあったミュージックランドKEYや、2007年に大阪進出したイケベ楽器も、アメリカ村内で移転をしています。
というわけで、ミナミの楽器屋事情はずいぶん様変わりし、アメリカ村が楽器店密集地域となりました。
複数店舗を回りやすくなったのはメリットといえるでしょう。
では、心斎橋〜難波にかけての楽器店を北から攻めていくことにしましょう。
(なお、一部のお店には定休日がありますのでご注意ください。)
ふみを屋
まずは2021年に開店した楽器店、ふみを屋です。
心斎橋駅に着いたら、北改札を出て3号出口から地上に出ます。
(地下街を通って行くことも可能ですが、分かりやすさ重視でここは地上に出ましょう。)
地上に上がったら右を向き、西側に進んでいきます。
高速道路(阪神高速1号環状線)が見える方向です。
その高速道路の手前まで来たら、この道を右(北)に曲がって進みます。
左手に注意を払いながら進んでください。
知らなかったら確実に通り過ぎてしまいそうなこのビルです。
大阪には個人経営の楽器屋さんが点在してはいるのですが、大手楽器店があるエリアのすぐ近くに位置しているのは珍しく、こちらは数少ないアクセスの良いお店の一つです。
店主氏は元々イシバシ楽器心斎橋店にいらっしゃったようで、私も以前お会いしたことがある方でした。
狭い店内にヴィンテージ楽器やマニアックなエフェクターが並んでおり、アメ村の楽器屋巡りをするならあわせて立ち寄る価値ありです。
三木楽器 アメリカ村ANNEX ベース専門店 MIKI BASS SIDE
ふみを屋から出て、先ほど来た道を戻り、そのまま南向きに直進していきます。
道路を渡ってまっすぐ進んでいくと、何やらガラの悪い地域に入ります。
ここがアメリカ村です。
串カツ田中がある交差点まで進むと右手にKEYの看板が見えますが、その前にベーシストの方はここで左折、東に向かって歩いてください。
少し歩くと、左手にセブンイレブンがあります。
その上にあるのが三木楽器のベース専門店であるMIKI BASS SIDEです。
ベース専門店とあってエフェクターコーナーはやや控えめですが、店舗奥のハイエンドベースコーナーは珍しいものも多く必見です。
ミュージックランドKEY 心斎橋店
では先ほどの交差点まで戻りましょう。
こちらにあるのが移転後のミュージックランドKEY 心斎橋店です。
移転当初は2フロア構成だったものの、現在は1階が古着屋になっており、KEYは2階のみです。
とはいえ、以前はちょっと目立たなかったのが、派手な外装で分かりやすくなりました。
なお、昔はエフェクターボード構築にかなり力が入っているイメージでしたが、現在はその傾向はあまり見られず、周辺の楽器店と比較するとデジタル方面の充実ぶりが目立ちます。
三木楽器 アメリカ村店
KEYを通り過ぎてさらに南下していくと、左手に三木楽器 アメリカ村店があります。
この治安の悪そうな感じがまさにアメ村です。(昔と比べたら全然平和になったんですよ)
「アメ村の楽器屋といえばここ!」と言っていいであろう大型店舗です。
ベースサイドの開店により、現在はベースを置いていないものの、独自性の高い品揃えは一見の価値ありです。
セカンドストリート 楽器館アメリカ村店(※中古のみ)
で、この三木楽器の角を左(東)に曲がるとイケベとイシバシに行けるのですが、新品以外も見たい方は引き続き直進して南へ歩きましょう。
ここからさらに本格的に治安が悪そうなエリアに突入、誰も信号を守らない激ヤバ交差点を通り過ぎると、左手に三角公園が現れます。
その向かい、右手にライブハウスのDROPとBEYONDの目立つ看板があります。
これらのライブハウスが地下に入っているこのビルの1階が、セカストの楽器専門店であるセカンドストリート 楽器館アメリカ村店です。
後発の2022年オープン、しかも本業の楽器店ではないとあって、果たしてどうなのか?と思っていたのですが、あまり見かけない珍しいものが並んでいたりします。
2023年夏、この店舗の上階にブリブリな店がオープンしたのですが、そこで販売されていたアレなグミが悪い方向で話題になり、ニュースでビルが映ったのを見た人もいるかもしれません。
なお、2024年4月末時点でそのお店は無くなっていました。
イケベ楽器 プレミアムギターズ/プレミアムベース
では改めて、先ほどの三木楽器の角を、元来た道から見て左(東)に曲がりましょう。
少し歩くとすぐ、左手にイケベ楽器 プレミアムギターズが現れます。
(※この角にいる服屋のキャッチは完全無視でOK!)
エフェクターコーナーは1階の奥にあり、壁一面の展示はさすがの品揃えで、大概の新製品が入荷しています。
店舗は4フロア構成で、エレベーターで3階に上がったベース専門店プレミアムベースにも別途ベース用エフェクターコーナーがあります。
1階にも一応ベースアンプが置いてあるので、試奏はどちらでも可能です。
イシバシ楽器 心斎橋店
この通りをさらに少し進むと、イシバシ楽器 心斎橋店が左手にあります。
楽器買取に力が入っているのか、梅田のイシバシ楽器と同様、中古が充実している印象があります。
なお、店舗の外から2階に上がるとアコースティックギターのフロアとなっています。
アメリカ村から難波方面へ移動
アメ村エリアは、ここまで紹介した店舗が狭い範囲に集中しているのが凄いところです。
が、少し足を伸ばして見に行ってほしいお店が、少し南の難波エリアにあります。
地下鉄なら一駅、約2分で運賃190円でいけますが、道中に観光名所もありますので、徒歩でいくのもアリかと思います。
(暑い時期は熱中症に十分お気を付けください。)
イシバシ楽器を過ぎてそのまま東に歩くと、南北に御堂筋(みどうすじ・車道は南向きの一方通行)が走っています。
大丸の看板が見えますね。
歩いて難波に向かう場合は、右(南)に曲がって御堂筋沿いに進んでいきます。
そのまま歩くと車道の右側(西側)の歩道を進むことになりますが、観光込みであれば適当なタイミングで車道を渡って左側に渡ることをおすすめします。
しばらく歩くと大阪名物道頓堀川、左手にグリコの看板が見えるからです。
有名な「かに道楽」や「くいだおれ太郎」もこの近辺です。
この道頓堀を通り過ぎ、高速道路(阪神高速15号堺線)の下を抜け、さらにまっすぐ歩いていくと、目の前に南海電鉄なんば駅が見えてくるはずです。
Qsic なんばマルイ店
ここで再度、中古楽器専門店でよければ最近できたお店があります。
南海なんば駅が見えてきたら、左手になんばマルイが現れます。
ここの6階に2022年にオープンしたのがQsic なんばマルイ店です。
Qsicといえば、デジマートで中古の楽器を検索していて目にすることも多い神戸の楽器店です。
このなんばマルイ店は、元々は買取出張所としてイベント出店していたのが、2022年の10月から正式に店舗としての営業を開始したとのこと。
基本的には買取のための店舗で、買い取った楽器は最終的に神戸本店に送られる(※Webショップに掲載されているのも神戸本店の在庫)そうですが、それまでの間なんば店に在庫しているものはもちろんここで購入可能、という仕組みのようです。
私が行ったときは比較的安い価格帯の楽器が多かったですが、エフェクターはマニアックなものも結構ありました。
6階まで上がるのが少し面倒ではありますが、難波まで来たなら覗いてみるといいと思います。
山野楽器 ロックイン難波
南海なんば駅の建物の内部(なんばシティ本館)をまっすぐ通り抜けると、なんばシティ南館に到達します。
一旦店外に出てこの道路を渡った先が南館です。
(右側のなんばパークスは別の施設なので注意!)
この南館にロックイン難波があり、何度か建物内で移転していますが、現在は2階に店舗を構えています。
こちらのエフェクターコーナーは入荷する商品のチョイスが面白くて、個人ビルダーや海外ブランドも含め、「初めて見る」「関西でここにしかない」「国内でほとんど置いてない」ものが(ちょっと眉唾なブツを含めて)ちょこちょこ置いてあります。
心斎橋の楽器屋巡りをするなら、ついでに難波まで足を伸ばしてみてほしいです。
音蔵(おとぐら)
で、ここまで来たらせっかくなのでもう一軒だけ立ち寄ってほしいお店があります。
先ほどのなんばシティ南館の入口から東(建物から出て右、外側から向かって左)に歩いていくと、屋根が途切れたところが難波中2交差点です。
このまままっすぐ進む目の前の通りではなく、一本右側(南側)の路地に入ります。
中古専門店といいながら意外なものが新品で置いてあったり、たまにびっくりするような掘り出し物があったりします。
近くまで行ったなら覗いてみてください。
(余談ですが、この道をさらに進んでいくと、東の秋葉原に対する西のオタク街、日本橋電気街があります。)
というわけで、2回に渡って大阪の楽器店を紹介しました。
東京には勝てないでしょうが、梅田・心斎橋周辺で主要な楽器店を回りきることができるのが魅力ではないかと思います。
以上、大阪にお越しの際の参考になれば嬉しいです。