非パラリーガルが日弁連の法律事務職員試験に一発合格した勉強方法

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法律事務所でバックオフィスの仕事をしている人間が日弁連の「事務職員能力認定試験」を受験し、初回で合格した体験記をここに記録しておきます。
本記事は、単に「合格を目指すうえでの情報がネット上に少ないな」という考えから書いたものであり、必ずしも誰にでも合うやり方とは思いません。
とはいえ、勤務している事務所から受験費用(場合によっては合格手当)を出してもらえるケースもあるでしょうから、やるなら回り道せず一発合格を目指すうえで少しでも参考になれば幸いです。

※以下は2024年の第16回試験に関する内容であり、今後情報が古くなる可能性がある点をご了承ください。

日本弁護士連合会 事務職員能力認定試験

この試験は、法律事務所で働く「弁護士の事務を補助する職員」を対象とする、日弁連による認定試験です。
その名の通り、法律事務職員、いわゆるパラリーガルを対象としており、法律事務所への就職・転職について調べたときに知った方もいるかもしれません。

公的な資格ではありませんし、そもそも法律事務所などで勤務する人でなければ受験資格がないため、「今は異業種だが法律業界で働きたいと思っている」という人は受験自体ができません。
他方、現に法律事務所で働いている人なら、直接的に弁護士の仕事の補助に携わっていなくとも受験することができます。
規模が大きめの法律事務所であれば、総務や経理などのバックオフィス系の部署が独立して存在していたりしますが、そういう部署のスタッフでも受験できるわけです。

法律系の資格取得が推奨されている事務所であれば、受験費用などが事務所負担で支給されるケースがあるため、それがきっかけで受験する方もおられるかと思います。
また、法律事務の実務に関する知識の担保として、法律事務所から別の法律事務所への転職などにおいてプラスになり得ます。

試験には六法の持ち込みが可能で、付箋や書き込みも許可されていますが、中身は受付の際にチェックされるので、カンニングと判断される書き込みがあればおそらく持ち込みNGとなるのでしょう。
試験内容は4択問題が60問。
おおよそ7割正解が合格ラインといわれています。

私が合格した2024年は60点満点中40点で合格、339人中162人合格で合格率は約47.8%でした。
なお、合格率は過去に60~70%だった時期もあるようです。
おそらく年によって調整が入りつつも変動があるものと思われます。

受験を甘く見ていませんか?

心構え的な話を不要に感じる方もいると思いますが、個人的にかなり重要なことだと思うので書いておきます。
私の勤務先の話ではないですが、おそらくこの試験を舐めてかかっている人が一定数います。

業界内資格というか、「仕事を普段からきっちりやってさえいれば合格できる系の試験」というのは世の中に実際に存在します。
「日々の業務で必須の内容が多く、真面目な実務経験があれば不合格にはならない」という類のものです。

しかし事務職員能力認定試験はそうではなく、受験用のテクニックというかコツのようなものが少なからず必要な試験だと感じます。
もちろんパラリーガルとして高度に習熟した人ならば実務で得た知識だけでも合格可能でしょうが、「受験者は法律事務所で働いている人だけなのに合格率が5割以下」という点からして、仕事でやっていればノー勉で合格できるような設計の試験ではないことは明らかです。
特に私が受験した2024年は、過去数回分の過去問と比べて問題の性質が変わっており、難化した年に対応するには「過去問を繰り返し解くことで解法のポイントを身に着ける」ことが不可欠でしょう。

しかしここで問題が発生します。
そう、勉強しようにも過去問の解説が出回っていないのです。

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合格へのハードル

ここで一度情報を整理しましょう。

①事務職員能力認定試験は「法律事務所の仕事を普段からやってさえいれば合格できる簡単な試験」では決してない
②確実な合格を目指すのであれば、複数年の過去問を解説込みで反復演習し、解法を身につけることが望ましい
③しかし、過去問とその解説が一緒になったような最新のテキストが存在しない

自己学習で合格を目指すには、言うまでもなく③が最大のハードルです。
日弁連のサイトから各年の過去問をダウンロードできますが、問題と正答だけで解説がないので、答えを覚えるだけでは学習として明らかに不十分です。

事務所内で弁護士や受験者による過去問解説が蓄積されているケースもあると聞きますが、そういう事務所は少ないでしょうから、実情として自力で勉強するしかない場合が多いと思います。
ブログに過去問解説を書いている弁護士さんがいたりもしますが、こちらも最近の問題は網羅されていませんし、こういう個人の善意によるコンテンツに「最新の問題もお願いします!」などと言うのはお門違いです。
また、過去問の解説集の本が過去にはあったものの、本記事作成時点で第12回以前のものしか存在せず、(自分で法改正の箇所が確実に分かる人はいいとして)法律系の試験で古い問題集を使うのはちょっと危険でしょう。

【※参考】メルカリの「法律事務職員 過去問解説」検索結果

※余談ですが、私は持ち込みできる自分用の六法を持っていなかったので、メルカリで直近のポケット六法を購入しました。
これに関しては当年版のよくあるコンパクト六法系のものが中古で手に入ればそれで十分でしょう。
もう来年の版が出始める時期なので安く買えます。

日弁連では事務職員研修のeラーニング受講を推奨していますが、これはパラリーガルの実務を学ぶ上で重要な研修ではあるものの、試験の内容と直結しているわけではありません。
さらに、参考書として「日本弁護士補助職協会(JALAP)の研修テキスト」が挙げられてもいますが、こちらも実務や手続きを体系的に学ぶためのもので、(その内容も当然重要とはいえ)試験対策のためだけに買うのに適した内容では全くありません。

全体としてこの試験は、独力で合格に向けた学習をするには手掛かりが少なすぎるのです。

合格のためにやったこと

前置きが非常に長くなりましたが、簡単に合格できる試験ではないと分かったところで本題です。

先に書いたとおり、私は法律事務所で働いているだけで、直接的にはパラリーガル業務をやっていません。
一応法学部出身ではありますが、学生時分の成績は振るわず、真面目に出席していたのに1年留年した始末ですし、大学を卒業してから10年以上経っています。
それぐらいの人間が、1か月強程度の短期集中学習で、合格率5割以下の試験に一発合格できたわけですから、現役パラリーガルの人なら勉強法さえ間違えなければ十分合格が狙えるといっていいと思います。

その勉強法についてですが、私はJALAPのサイトで販売された模擬試験2回分と過去問1回分の解説動画セットを購入しました。
(※リンク先は2024年10月1日に発売されたもの。本記事作成時点では購入不可)

テキストベースの解説は付属せず、解説が動画だけだとさすがに使いづらかったので、「動画の解説部分を各問ごとにスクショしてWordファイルに貼り付けて作った解説ペーパー」を印刷しました。
私がこれを買ったのが10月の上旬で、試験本番が11月中旬だったわけですが、私は1か月強の間毎日必ず最低1回分は問題をすべてノートに解き、解説を見て答え合わせをするのを繰り返しました。
それだけです。

それだけ、というと簡単に聞こえますが、最初は本当に全く歯が立たず、60問中20問も正解できないようなレベルでした。
間違えた問題を、解説を見ながら理解する(場合によっては動画でも見る)のを繰り返すうちに徐々に「考えれば分かる」状態になっていきますが、そうなると今度は問題を全部解くのに丸2時間かかるようになり、毎日継続するのは骨が折れました。
しかし、これをひたすら3週間ほど続けると、解法まで覚えて30分程度で全問完了、余裕で9割以上正解という状態までもっていくことができました。

「それは単に『その3回分の問題の丸覚え』に過ぎないのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、この段階で「まだ解いたことがない以前の過去問」にもチャレンジしたところ、初見にもかかわらずほぼ確実に8割以上取れるようになっていました。
特に相続分野で頻出の「相続関係説明図が正確に書ければ正解できる問題」は、反復演習が大きな鍵となります。
何の受験でも、やはり特定の試験の出題に適応するには、同じ体系の問題をひたすら解きまくることが最大の近道なのです。

誰しも高校や大学の受験においてはそうやって勉強してきたはずです。
よく「試験に受かるための勉強」を揶揄する人がいますが、受験英語を本当に基礎からこなした人は英語でのコミュニケーションが一定程度できるようになっているものです。
私自身、今回の試験勉強を通して業務への解像度が大きく上がりました。

先に書いたとおり、私が受験した2024年の第16回試験は、過去の試験と比べて出題の傾向が変わっていました。
それもあって、私は本番では過去問のようにはいかず、恥ずかしながら時間いっぱい使い切って40点のギリギリ合格でした。
ですが、これこそが「解法さえ身につければ」「実務をやっていない人間でも」「難しかった年でも合格に手が届く」ことの証左になると思います。

実のところ、この解説動画教材が今年も販売されるかは現時点で不明ですが、もし販売されたら、受験される方はぜひこちらで学習されることをおすすめします。
「試験のため(だけ)の勉強」に拒否感がある方は多いと思いますし、「実務で身につけた知識だけで合格できるのが一番かっこいい」のもある種の事実です。

しかし、こういう受験勉強によって初めて身につく知識もあるでしょうし、実務をされている方ならより仕事への理解が深まると思います。
何より、受験して合格できないというのはお金がもったいないです。
自腹受験の人はもちろん、事務所から費用が出してもらえる人こそ、そのお金と期待を無駄にしないように全力で万難を排して臨むべきです。

受験される皆さん、ぜひ事前対策を万全に頑張ってください。

後日追記

あれ…発売されなかったっぽいですね…

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