元々レザーのライダースジャケットが好きで以前はよく着ていたのですが、今回久々に本革のライダースを古着で購入したので、洗濯機で水洗いしました。
私はこれまで何度もライダースを家庭洗濯していますが、「革ジャン 洗濯」とかで検索してみると私の試行錯誤結果とは違う情報があったりもしますので、自分なりのやり方と結果を記録しておこうと思います。
当然ながら革製品は洗濯表示で水洗い禁止になっているので、家庭洗濯には革ジャンをダメにする覚悟が必要です。
もちろん失敗しても何の責任も持てませんので、自己責任でお願いします。
今回洗濯したライダース
とりあえず最初に写真を載せておきます。
BLACK by VANQUISH(旧MURDER LICENSE)のベジタブルゴートレザーダブルライダースです。
なお、ビフォーアフターの写真が上手く撮れておらず、これは洗濯完了後の写真です。すいません。
私は独身の頃、服に結構お金をかけていた時期があるのですが、本気のお気に入りとして頻繁に着ていた服がISAMU KATAYAMA BACKLASHのイタリアンダブルショルダーのライダースでした。
その後いろいろあって経済的に困窮し、当時所有していたお金になるものはBACKLASHを含めてほとんど売却してしまったのですが、子どもがある程度大きくなったこともあり、「またライダース着たいなあ」と考えた私はBACKLASHっぽいデザインで安く手に入るものを探しました。
その結果目をつけたのが、このBLACK by VANQUISHのベジタブルゴートレザーです。
アメカジ感の無いタイトなシルエット、革のシワやシボがそのまま残った仕上げ等、定価6万円程度の製品としてはかなり良いと思います。
さすがに高級感とまではいかないものの、ベジタブルタンニンなめしのゴートスキン(山羊革)はしっかり厚手の革質で、安っぽいペラペラさは感じられません。
背中のアクションプリーツ等は無く、アーム部分も細めで、完全にバイク向けではない街着タイプのライダースになります。
で、某フリマアプリで比較的コンディションの良さそうな中古品を安く見つけたので、先日ついに購入しました。
届いた現物は着用感も少なく、実際なかなか綺麗な状態で、この手のレザー特有の着込むことによる艶もそこまで出ていません。
とはいえ、何か飲み物をこぼしたような跡もありましたし、やはり他人が着た服を洗わずに着るのはちょっと抵抗があります。
というわけでさっそく洗濯です。
洗濯の手順
まず、他の洗濯物への色移りを防ぐため、他の衣類と一緒に洗うことは絶対にしてはいけません。
必ずライダースだけで洗います。
洗濯機で回すうえでは、金具が革や裏地に引っかかることによる傷や破れを防ぐため、全てのファスナーを閉め、裏返して畳んだうえで洗濯ネットに入れます。
私はいつも普通のおしゃれ着用洗剤(アクロンとかエマールとか)を使っています。
レザーに必要な油分まで洗い流してはまずい気がするので、洗剤は規定量の半分ぐらいを入れるようにしています。
また、洗濯槽が激しく回る通常の洗濯モードではなく、必ずソフト洗い系のモード(ドライコース・手洗いコースなど)で洗います。
なお、Amazonなんかで探すとレザー専用の丸洗い洗剤もあります。
昔から有名なのは「革るん」ですが、最近は他にも小容量で安い製品など、いろいろ売られています。
専用品はトリートメント成分なども含まれているようなので、ある程度安心して使えると言えるでしょうし、不安な方はそういった専用品を買った方がいいと思います。
脱水のポイント
洗いが終わったら脱水ですが、これまでノーブランドの安物からセレクトショップの薄手のライダース、666、Schott、BACKLASHなど、かなりの数のライダースを丸洗いしてきた経験から、大きなポイントになるのはいかに上手に脱水するかだと考えています。
SchottやVANSONのようなガッシリしたライダースは、型崩れするとちょっと格好悪いので、脱水はごく控えめにするべきでしょう。
ツルっとした表情のレザーは、なるべく折りジワ等を避けたいところです。
その分、大量のタオルや新聞紙などを用意し、裏から表からしっかり水気を取る手間がかかります。
(※タオルに色移りする点に注意)
一方、製品染めや製品洗い等、革のシワ・シボが最初からはっきりしている系統のライダースは、(好みの問題もありますが)より強くシワが入ったり、革の縮みでファスナーにうねりが出たりしている方が表情が際立つので、強めに脱水をかけてもさほど問題にならないと個人的には考えています。
水分が多い状態で干し始めると、乾くまでに時間がかかって生乾き臭が出ることもあるので、シワを気にしないならしっかり脱水をかけてもいいと思います。
ただし、水気が抜けにくい素材を脱水するときは、洗濯機が異常振動を感知して止まってしまうことがあるので、私はいつも脱水を始めるタイミングで洗濯機をしっかり押さえるようにしています(※洗濯機がぶっ壊れる覚悟で)。
オイルを塗り込む
脱水が完了したら、今回はこの水気がやや残っている状態で油分を補給します。
私はマスタングペーストが気に入っています。
新聞紙の上にライダースを広げ、直接オイルを手に取って塗り込んでいきます。
油分補給については「干し始めてから乾くまでの途中でやる」、「乾いた状態でやる」、「塗ったオイルは拭き取る」等様々な考えがありますが、今回は水気が乾いたころにはオイルの拭き取りはほぼ必要ありませんでした。
陰干しで乾かす
この後、肩部分の厚みがしっかりあるハンガーに不要なタオルや新聞紙等を巻き付け、風通しの良いところで干します。
直射日光や温風で急速に乾燥させると部分的に変な縮み方をすることがあるので、扇風機で弱風を当てながら室内干しです。
肩の部分は縫い目が多く、この部分に重量がかかることで水分が染み出てくるので、紙は2~3時間おきぐらいに交換しました。
乾きやすいよう襟を立てて干すうえでは、首に相当する部分がしっかりある形状のスーツ用ハンガーがおすすめです。
という感じで丸一日の陰干しの結果、無事しっかり乾きました。
最初あった汚れも綺麗に落ちました。
改めて袖を通してみると、分厚いレザー特有のキシキシ感もしっかりあって、デザインはスマートなのに重厚感があります。
ジッパーはYKKの10号ファスナーで、ririのような独特の小気味良い音や動きの滑らかさはありませんが、存在感があってなかなか悪くないです。
洗濯前に着てみたときと比べて極端に縮んだような感じもしないので、ひとまず満足のいく結果となりました。