【倉敷人の履き込み】リジッドデニム(生デニム)の洗い方・色落ちのコツ

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私は岡山県倉敷市出身で、デニムジーンズにはそれなりのこだわりを持っています。
で、久々に地元の大好きなショップのジーンズを購入しましたので、せっかくなので記録を兼ねて紹介してみたいと思います。
ついでに、個人的にいつもやっている、かっこいい色落ちを目指すための一連の儀式についても書いてみます。

ジーンズストリートのお気に入りショップ「カミカゼアタック」

岡山県倉敷市の南部にある児島ジーンズストリートには、多くのジーンズショップが並んでいます。
老舗だとビッグジョン、小規模ブランドだと桃太郎ジーンズあたりが有名でしょうか。
時々テレビ等でも紹介されるので、ご存じの方も多いかもしれません。

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その中でも私は、いい意味でゆるい接客、国産品としては買いやすい価格帯、そして「意識高い風じゃないのに商品はめっちゃ良い」というギャップも含め、カミカゼアタックが一番好きです。
こちらがリペアしつつ3年ほど履きまくった「マッハカミカゼ」の色落ち結果。

かなりいい感じに育ったのですが、その後のさらなる着用により生地の痛み・破れが酷くなり、ぼちぼち引退ということで新しいものを買うことにしました。

カミカゼブーツZERO

今回購入したのは、ショップオリジナルの商品としては「利益出てんのか?」と思うほど安く、今時ブーツカットを履く男性は少ないこともあってかサイズが欠品していることが多い「カミカゼブーツZERO」です。
※なお、私は帰省時に時間の余裕があれば児島の実店舗に行くようにしていますが、公式のオンラインストアで買うこともあります。

とりあえず新品状態の写真。

前面の方がなんか白飛びした写真になってしまった。背面の方が実際の色に近いです。
生地は糊付きのノンウォッシュ(未洗い)、いわゆるリジッドデニム(生デニム)なのでかなり硬いです。
リジッドのバキバキに硬い状態でちょっと足を通したら変なシワが入ってしまいましたが、このシワはこの後の糊落とし(ファースストウォッシュ)で消えます。

バックポケット含め特徴的なディテールはありませんが、私自身凝ったデザインにはあまり興味が無くなってしまったので、これぐらいでいいです。
(むしろどんな言い訳をしてもLevi'sのパクリにしか見えないレプリカブランドこそダサいと感じるようになってしまった)

ちなみにボタンフライではなくジッパーフライです。
これも以前は「ボタンフライしか認めない!」みたいな時期がありました。

なお、「こだわりのデニムジーンズと言えば耳付きの生地」みたいな風潮がありますが、カミカゼブーツZEROのアウトシーム(外側の縫い目)には耳が付いていません。
これは「デニム生地の耳を無理に使うとアウトシームが直線でしか縫えず、ブーツカットのフレアラインが綺麗に出せないので耳部分は使わない」ということだそうで、こういう部分こそ本来デニムウェアとしてこだわるべき点だと思います。

ファーストウォッシュ

さて、「デニムジーンズの履き込みの最初をどうするか?」「洗い方はどうすればいいのか?」というスタートにはさまざまな宗派があります。
多くのアパレルショップで販売されている、ウォッシュ済みジーンズやダメージ加工が施されたジーンズと異なり、リジッドデニムのジーンズには「最初の洗濯で縮む」という特性があります。
そこで今回は、あくまで私が最適だと考えている手順について、理由を含めて書き残しておきます。

まずはファーストウォッシュ(糊落とし)です。
「洗わずにガチガチに硬いリジッドのままの状態で履き始めることで、エッジの効いた色落ちになる」という考えの「生履き」と呼ばれる手法もあります。
ただ、生履きには「色落ちしてから洗濯して生地を縮めると、色が落ちた箇所とそれ以降のシワの位置がずれて加工デニムのような不自然さが出る」「洗濯せずに裾上げすると洗濯後に股下が縮んで短くなってしまう」というリスクもあります。

これに対し、私は最初に洗濯して生地をある程度縮め、裾上げをしてから履き始める派です。
そのうえで、メリハリのある色落ちを実現するために、生地を縮めつつも、ある程度の硬さを残すことを目指します。

まず、ジーンズをひっくり返してからお風呂の熱めのシャワーでしっかり表面を流します。
定番の「お湯につけ置き」まではやりません。
続いて、ボタンとジッパーを閉めて、洗濯ネットに入れて洗剤を使わずに洗濯機で洗います(色移り防止のため他の洗濯物は絶対入れないこと!)。

この工程を経てしっかり天日干しすると、カリッカリに硬くなって乾きます。
乾燥機を使う人もいますが、それだとふんわりした仕上がりになってしまいがちなので、しっかり日光に当てて干すのがおすすめです。
なお、購入時のウエスト内周は81cm、股下は95cmでしたが、この時点でウエスト80.5cm、股下93cmに縮みました。ちなみに表記サイズは31インチです。

で、この段階で裾上げをします。
チェーンステッチで縫ってもらうことで、裾のパッカリング(糸の縮みによる生地のうねり)を斜めに出すというのはこだわっておきたいオタクポイントですが、裾上げした直後の裾は当然フラットな状態です。
そこで、裾上げした後に裾の部分だけをしっかり濡らし、揉んでから再度乾かすというひと手間を加えることで、履き始める前にこのパッカリング(ウネウネ)を生み出します(※一般的なシングルステッチだとパッカリングが斜めに入りにくい)。

より良い色落ちのために

ガチガチに硬く乾いたジーンズを丸1日履くと、いわゆる「ヒゲ」や膝裏の「ハチノス」と呼ばれるシワが入ります。
このシワの頂点がこすれることで白く色落ちし、デニム独特の濃淡が生まれるわけです。
乾燥機を使わないのはこのシワをきっちりつけるためで、乾燥機でふんわり仕上げてしまうと、この最初のシワが緩くなり、結果としてぼんやりした色落ちになってしまうのです。

そして、さらにメリハリの効いた色落ちを目指すためのちょっとせこい裏技として、折り紙の折り目をきっちりつけるようにシワをしっかり鋭角に折って癖付けしておきます。

ここから当面は「根性履き」と呼ばれる、洗濯せずに履き続ける期間に入ります。
「デニムを洗ってはいけない」というのは半分本当、半分嘘で、「新品から履き始めてシワが固定し、その部分が色落ちし始めるまでは洗濯せずにひたすら履き込む」ことにより、青と白のコントラストが際立つかっこいい色落ちに育ちます。

シワの部分が色落ちする前に洗濯してしまうとシワがリセットされ、色落ちを一箇所に集中して進めることができなくなるので、結果的に色落ちが遅くなってしまいます。
速く色落ちさせるには、ひたすら根性履きするのが一番の近道なのです。
その段階さえ終われば、数回履くたびに普通の洗剤で洗濯してOKです。

ただし、この根性履き期間中に汗をかきすぎると生地に雑菌が繁殖し、臭くなるだけでなく繊維の劣化を招いてジーンズの寿命を大幅に縮めてしまうので、最初の履き込みではとにかく汗をかかないよう注意します。
というわけで暑くなり始める今の季節、履き込みのスタートには不向きなタイミングなので、臭いを極力防ぐために以下のルールでいきます。

・暑い日の外出や、汗をかくようなことをする日には履かない
・なるべく毎日履くが、寝るときまで履くような真似はしない
・脱いだら平置きには絶対せず、ハンガーにかけて空気を通す

体を動かすと早く色落ちするようなイメージもありますが、そういうことも原則やりません。
「とにかく履いて履いて動きまくって洗わない」という履き込み手法を否定はしませんが、比喩ではなく本当に生地が腐るので、あまりおすすめはしたくないのです。
それをやるならせめて真冬を挟む期間に行いましょう。

半年後のセカンドウォッシュ

その後、11月に行ったセカンドウォッシュ(2回目の洗濯)の前後の写真を載せておきます。

まずは前面のビフォーアフター(微妙にピンボケになってしまった)。
くっきりと履きジワが入った状態から、洗濯すると一旦またフラットな状態になります。

こちらが背面。
シワが入っていた部分から徐々に色が抜けつつあるのが伝わればと思いますが、まだまだ分かりにくいですね。

最初に書いた通り、インターネット上で見かける「半年間の履き込み結果」みたいな写真を見ると「何をやったらこんなに色落ちするの?」というぐらいの変化が発生していたりします。
が、まあ実際はこんなもんです。
とはいえ、近付いて見るとヒゲや膝裏のハチノスは確かな色落ちが見られます。

ハチノスに関しては、「この程度の状態で洗濯してしまうと大した色落ちにならないのでは?」と感じられるかもしれませんが、裏返すとこのように、シワになっていた部分に沿って裏側に藍色が抜けてきています。
経験上、この状態に達していれば後々の色落ちはかなりいい感じに仕上がります。

6ヶ月間の履き込みについて

前の記事で書いたように、シワの頂点を中心にメリハリの効いた色落ちを実現するためには、一定以上の期間洗濯せずに履き続けることが重要になります。
ただ、実際にやったことがある方ならご存じかと思いますが、汗をかいたデニムジーンズは強烈に臭いです。
他人からすればなおさら不快ですし、雑菌が繁殖した生地は劣化も早まります。

このことから、「ひたすら履いてひたすら動き回る」みたいな方法は個人的にはあまりやりたくありませんでした。
そこで今回は、「プチ根性履き」とでも言うべきか、「汗をかかないように注意しつつ長期間履き続ける」という方法を取りました。

私は現在在宅勤務で働いているので、真夏の外出時を除いてかなりの頻度でこのジーンズを履き続けました。
しかし、なるべく汚さないように、汗をかくような子供との外遊びや、料理をする時、また公衆トイレを使う可能性があるような外出の時には履かないというルールで履き込みを行いました。
まあそれでも世間的に見たら十分すぎるほど「汚ねえ!早く洗えや!!」という感じだと思いますが。

デニムジーンズの洗濯方法

世の中には「デニム専用」と銘打った洗剤があり、色落ちを最小限に防ぐという売り文句で販売されています。
ただ、私は個人的に「ジーンズ専用の高い洗剤」をわざわざ使うことはしていません。
「裏返してネットに入れる」「色移りを防ぐために他の洗濯物といっしょには洗わない」ということはしましたが、洗剤はごく普通の液体洗剤です。

なお、「よりゴワゴワにするために昔ながらの粉石鹸で洗う」というのもそれはそれで一つの方法だと思います。
ただし、それを勘違いして「箱入りの粉末洗剤」でジーンズを洗う人がたまにいますが、あれはダメです。
昭和の頃に定番だった四角い箱入りの粉末洗剤には蛍光増白剤が入っている場合があり、デニムジーンズを洗うには適さないので注意しましょう。

あと、スプレーするだけのやつとか本当に意味がないので絶対にちゃんと洗濯してください。
繰り返しますが本当に生地が雑菌まみれになります。
履き始め~セカンドウォッシュの期間はオタクとして譲れないとしても、せめてそれ以降は定期的に洗うべきだと私は思います。最低限の一般常識として。

生地の縮みについて

31インチサイズのこのジーンズ、ウエストの内周は購入時点で81cmでした。
ファーストウォッシュ後はウエストがやや縮んで80.5cmになっていましたが、半年間履いた結果、履き伸びによってウエストサイズは4.5cm伸びて85cmになりました。
そしてこれを洗濯した結果どうなったかというと、また縮んで最初の81cmに戻りました。

このように、綿100%のノンウォッシュデニム生地は「着用→洗濯→干して乾燥」を繰り返す中でウエストが伸び縮みし、徐々にちょうどいいサイズに収束していきます。
個人的にはこれがデニムの大きな魅力だと思っていますが、今回は元がかなりタイト目なサイズ感だったので、洗濯して縮んだ状態のものを履こうとしたらなかなかボタンが閉まらなくて大変でした。
この履き伸び・洗濯縮みの変化も今後記録していこうと思います。

というわけで、また半年後ぐらいに続きを書ければと思います。

【後日追記】
と思っていたのですが、このあと持病により一時期体調が悪化し、運動ができなくなったことで体型が変化してこのジーンズが完全に履けなくなってしまい、悲しいことにこの続きはありません。すいません。
参考までに、冒頭で紹介した、以前履いていたジーンズをリペア依頼したときにTwitterに載せてくださっていたのが一番良い感じに色落ちした時期だったので、ご覧いただければと思います。
(※カミカゼアタックは他社製品のリペアは一切受けていないので注意)

また元気になったら履き込みリベンジしたいと思います。

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