【スローギア系まとめ】ボリューム奏法ができるエフェクター

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ボリュームゼロの状態で弦を弾き、そこから音量を上げることでアタック感のないフワッとした音を奏でるボリューム奏法
ヴァイオリンのような音が鳴ることからバイオリン奏法とも呼ばれますが、これは楽器本体のボリュームノブや、ボリュームペダルを使用するのが一般的です。
で、これが自動でお手軽にできる「ボリュームスウェル」などと呼ばれることもあるエフェクターが存在するわけですが、なんとなく調べてみたらまとまった情報が全然見つからなくて腹が立ったので、ちょっと現時点の情報をまとめてみます。

ボリュームスウェルエフェクターについて

「ベースでボリューム奏法なんかするか?」というツッコミに関しては、アンソニージャクソンについて書いたこちらの記事の最後のほうをお読みいただければと思います。
チェロみたいな音になるんで是非ベーシストにも試してみていただきたい。

【エフェクターベーシスト列伝⑥】Anthony Jackson
ジャズの分野におけるエレキベースの表現の幅を押し広げ、後進の多くのベーシストに影響を与えたAnthony Jackson(アンソニー・ジャクソン)。最近では5弦ベースが当たり前のように一般化し、6弦ベースもさほど珍しいものではなくなりました...

さて、この手のエフェクターの元祖といえばやはりBOSSのSG-1 Slow Gearです。
1979年発売、1982年生産終了と短命に終わりましたが、ボリューム奏法にあまり向かないレスポール系ギターのユーザーを中心に、局所的な人気があったと聞きます。
今回紹介するエフェクターの多くがこのスローギアを元ネタにしているらしく、コントロールの名称こそ違いますが、だいたい「音の立ち上がりのボリューム変化」と「入力感度」を調整できる仕組みになっています。

また、2013年に一旦その歴史を終えた日本のGuyatone(※のちにアメリカの企業がブランドを買い取り復活)も、かつてSlow Volumeという名前のエフェクターを出していました。
こちらも既に新品は流通していませんが、その最終型であったSVm5は、音量レベルやリリース(音量が減退するときの変化の仕方)の調整に加え、入力信号レベルの切り替えスイッチも備えたモデルでした。

では以下、現在でも手に入るものを紹介していきます。

中国メーカーのミニサイズエフェクター

この手のミニエフェクターは探せば同種のものが色々出てくるので、代表的なものを紹介するに留めます。
こういうのはやっぱりMOOERから、SLOW ENGINEです。

サウンドハウスで安く買えるものとしてROWINのSLOW HANDというのもあります。
(これは一度買ってみたんですが不良品を引いてしまい、若干おすすめしにくいものではあります。とはいえ試しに買ってしまえる安さは魅力です。)

TC Electronic / CRESCENDO AUTO SWELL

かつてはBOSSのコピーといえばBEHRINGERで、SLOW GEARコピーのSM200 SLOW MOTIONというモデルがあったのですが、これは既に製造されていません。
その代わり、TC Electronic名義でベリンガーの一部製品を再編した「Smorgasbord of Tones」シリーズのラインナップにCRESCENDO AUTO SWELLという後継モデルがあります(※TCは2015年にベリンガーの親会社であるMUSIC Groupに買収されている)。
「安いのでいいけどミニサイズは嫌だ」という方に。

Electro Harmonix / ATTACK DECAY

エレハモは過去製品をバージョンアップして復刻することが多く、ATTACK DECAYもその一つですが、なんとこちらは和音検出のポリフォニックモードを搭載しています。
「既に鳴っている音に影響を与えることなく、和音として鳴らした別の音の音量をスウェルさせる」というのは、従来のアナログ回路では不可能です。
それを抜きにしても音の検出が正確ですし、ファズやプリセット機能まで内蔵しています。

これを簡略化・小型化したPICO ATTACK DECAYもあります。

実は最強、POG2

で、単体機としてはATTACK DECAYが真打ちのような感じなのですが、実は既存のエフェクターの中で最強のボリュームスウェルを備えているのはエレハモの多機能オクターバーであるPOG2です。
ちょっとこの部分だけを分かりやすく抜き出した動画が見つからなかったので、YouTubeに動画を投稿してしまいました。
直撮りのクソ音質で申し訳ないですが、機能面の凄さは十分伝わると思います。
この記事の前半で紹介しているアナログのエフェクターでは、このような芸当は100%不可能です。

セッティングは上の動画内で載せている通りですが、DRY FXのボタンを赤のLEDが光るように押したうえ、DRY OUTPUTとATTACKのスライダーを調整するだけで、この徹底的についてくるボリュームスウェルが得られます。
正直言ってATTACK DECAYよりもPOG2の方が良かったです。

というわけで、スローギアの遺伝子を受け継ぐエフェクターを紹介しました。
思い通りにボリュームを操るならやはりボリュームペダルが一番いいのでしょうが、「微妙に早いタイミングで音を鳴らしつつ足で音量を操作する」というのはやはりなかなか難しいので、このようなエフェクターを使ってみるのも一つの解決策かと思います。

【追記】エレハモ3機種の比較

購入検討のため比較試奏した際の記録を残しておくことにしました。
よろしければこちらもご覧ください。↓

【比較試奏レポート】エレハモのボリュームスウェルエフェクター POG2, ATTACK DECAY, PICO ATTACK DECAY
個人的に感じていた疑問に結論を出すべく、久々に大阪の楽器店に行ってきました。私は以前から「ボリューム奏法ができるエフェクターはPOG2が圧倒的最強」と言って憚りませんが、2019年発売のATTACK DECAYに続き、その小型版であるPIC...
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