【30代の発達障害】精神科で発達障害検査を受けました

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私は34歳で専門医療機関での発達障害検査を受け、発達障害(ASD)であるとの診断がつきました。
この記事では、具体的な検査内容や、「どう答えてどのような結果が出たか」にも触れています。
これから検査を受ける方がこのブログをご覧になる場合、検査結果に影響する可能性もありますので、閲覧はご自身の責任でお願いします。

発達障害の検査ができる病院を探す

何よりまず、「検査ができる病院がどこにあるのか分からない」というのが最大の壁になることが多いのではないかと思います。
私自身もそうでしたが、精神科や心療内科に通院するところまではたどり着けた人でも、「うちでは発達障害の検査はしていない」と言われた、というのはよく聞く話です。

私は、住んでいる県の「発達障害者支援センター」で相談し、検査ができる病院を教えてもらうことができました。
「発達障害者支援センター」は各都道府県に1か所はあるはずなので、まずはそこに聞いてみるのが一番の近道ではないかと思います。
ただ、これはあくまで病院を教えてもらえるだけで紹介ではないので、初診の予約が難しい場合や、初診まで長期間待たなければいけない可能性はあります。

検査当日の流れ

発達障害の検査では、「何回かに分けて検査を受ける必要があり、複数回通院しなければならない」というケースがあります。
私が受診した精神科では、1日で全ての検査を実施し、その日のうちに診断結果が聞ける仕組みでした。
その代わり、事前に自己記入式の心理検査を自宅で実施し、あらかじめ病院に送っておく必要がありました。

その中には、小さいころを知っている保護者(多くの場合は母親になるでしょう)にも記入してもらわないといけない用紙があります。
ただ、私は母から精神的に追い詰められ続けてきたことを自覚して以来、実家と一切の連絡を絶っており、連絡することはどうしても避けたいと考えていました。
仮に母親に何か書いてもらうとしても、絶対に「小さいころから発達障害の傾向など一切ありませんでした」と書かれてしまうのは明白です。
そのあたりの事情を説明し、その検査は無しでもよいということになりました。

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※本来必要な検査を外すということは、それによって発達障害と診断がつく材料が一つ減ることを意味し、大きなデメリットにもなる点に注意が必要です。

検査には家族も同行するように言われていたので、妻とともにS病院へ。
私は「初めて行く場所は緊張するので、下調べを兼ねて事前に現地を訪問する」というのを必ずやっており、今回の病院も、車で2回、電車とバスを乗り継いで1回の計3回事前に下見に行ったので、迷うことなく時間通りに到着できました(そのことも伝えました)。

まず最初に、相談員の方から30分ほど、幼少期から学生時代ぐらいにかけての困りごとについて質問を受けました。
そしてその次が、臨床心理士さんが行う知能検査のWAIS-Ⅲ、いわゆるIQテスト。
その後、「人の絵を描いてください」「次は木の絵を描いてください」「最後に別の木の絵を描いてください」という検査がありました。

この絵を描く検査について私が描いたのは、人の絵は性別も何もわからない、服も着ていない、棒人間のような絵でした。
あまりに雑すぎたのか、「うーん…もっと詳しく描けますか?」と言われてしまったので、爪や髪の毛を細かく描き足しました。
木の絵は、1枚目に小学校の校庭にあったのを思い出した立派なクスノキを、2枚目には「違う感じの木を描こう」と考え、ぐにゃぐにゃ曲がった細長い松の木を描きました。

これらの検査の所要時間が2時間半程度で、その間に妻は相談員の方から私の日常生活について聞き取りを受けていたようです。
その後、私も相談員さんからの質疑を受けます。
30分ほどかけて、主に会社員として働いていた頃のことについて色々と質問されました。

そして昼食の時間を挟んで、聞き取りと各検査の結果をもとに、医師の先生の診察が始まりました。
このときは妻も同席で、相談員さんに聞かれた内容をさらに掘り下げるような、具体的なエピソードを色々と聞かれました。
私は「冗談や皮肉が分からない」、「細かい部分が気になって時間を無駄にすることが多い」、前述の「初めて行く場所は必ず下調べをしないと不安で仕方ない」といった話のほか、人との会話もままならなかった幼少期のエピソード等も思い出しながら、妻に助け舟を出してもらいつつ、具体的な困りごとについて説明していきました。

検査結果の説明

そして、いよいよ検査結果の説明がありました。
(※検査結果の紙は貰えなかったので、覚えている範囲で書きます。)

WAIS-Ⅲの結果

まずWAIS-Ⅲですが、全体としての全検査IQは120という数値でした。
知能は高いものの、各項目の得意不得意には凸凹がかなり出ており、バラつきが大きく認められる結果になりました。

バウムテスト・HTPテストの結果

人と木の絵に関しては、後で調べてみると木を描く「バウムテスト」というものや、家、木、人を描く「HTPテスト」というものだったようです。
今回の私の絵は、雑に描いた人の絵から「他人に対する興味関心が希薄」、大きな幹の木の絵から「人からしっかりした人物と見られたがっている」、そしてぐにゃぐにゃに曲がった木の絵から「自己評価が低い」という傾向が出ている、と言われました。
これは自分で「大当たりだな」と感じました。

TEGⅡの結果

ここからは、あらかじめ記入して病院に送っていた心理検査についての説明を受けました。
まず「TEGⅡ」は、性格の傾向を5つのタイプ(CP:批判的な親、NP:養育的な親、A:大人、FC:自由な子ども、AC:順応した子ども)に分類するというものです。

私の場合はAC(順応した子ども)が突出して高い一方、反対にFC(自由な子ども)はなんとゼロで、「他人の評価を気にして自分を押し殺す傾向が極めて強い」との結果でした。
この検査は以前、鬱で通院していた病院でも受けた記憶がありますが、そのときも同じような結果だったと思います。

CAARSの結果

ADHD傾向を見るための検査が「CAARS」です。
私自身が記入した「自己記入式」と妻に書いてもらった「観察者評価式」を提出していましたが、その二つの回答内容に大きな差はなかったようです。
私自身としてはADHDの症状はあまり自覚していないのですが、この検査だとADHD傾向がかなり強いという結果になりました。

AQテストの結果

最後に、「AQテスト」というのがASDの傾向を見る検査。
これは上限が50点のうち33点以上というのが基準になり、健常者で33点を超えることはほぼないそうですが、私は40点でした。
中でも、「社会的スキル」と「コミュニケーション」の項目が突出して低いという結果で、これでは日常生活に支障があるだろうとのことでした。

診断

これらの各検査の結果を総合的に判断し、私にはASDであるとの診断が下されました。

正直、ある意味ではこの結果を望んでいたわけですが、実際に診断されると「本当にそうなんだな」というやや後ろ暗い気持ちもあり、そんな気持ちを抱いた自分に差別意識を感じて自己嫌悪に陥り…という感じで、なんとも言葉にするのが難しい感覚です。
こうなってみると、いわゆる「発達障害になりたいのになれない人」と「ギリギリ発達障害と診断される人」の境界線もよく分からなくなってきました。

ただ、これで精神障害者保健福祉手帳(精神障害者手帳)の取得ができれば無理のない範囲で働くことができるかもしれない、と思うと希望が湧いてきたのも事実です。
なお、費用は健康保険の3割負担で約5,000円でした。

精神障害の手帳は「当該疾患の初診から半年経過しないと申請できない」というルールがあるため、半年考えたうえで申請するかどうかを判断しようと思います。
正直めちゃくちゃ疲れてしまい、検査から数日経ってようやくこのブログ記事を書き上げることができました。
今後も何か進展があれば書こうと思います。

【追記】
半年後、手帳取得の手続きを行いました。↓

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