私自身も過去に愛用していたワーミーは、飛び道具としては知名度が高く、まさに遊べるエフェクターの定番です。
とはいえ、その大柄なサイズのため、エフェクターボードに収めるのが難しいのも事実です。
そこで今回は、ボードに入れやすい、エクスプレッションペダルなしでもアーミング風の無段階ピッチシフトが可能な「小型ワーミー」「簡易ワーミー」とでも呼べそうなエフェクターを紹介します。
本家ワーミーはでかすぎる
私が実際に所有していたワーミー2機種(Whammy5と2014年復活Bass Whammy)についての記事はこちら。

ワーミーとは、DigiTech社のエクスプレッションペダル付きピッチシフトエフェクターの商品名です。
エクスプレッションペダルを踏みこむことで、ギターのアーミングのように音程がギュイーンと変化するというのが最大の魅力です。
似たような製品は他のメーカーからも時々発売されますが、やはりワーミーこそがこの手のエフェクターの代名詞と言えます。
ただ、「エフェクトを選択するコントロール部」に「エフェクトON/OFFのためのフットスイッチ」、さらに「足で音程を操作するためのエクスプレッションペダル」も備えているとあって、筐体がかなり大きいです。
このサイズ感はボード構築・運搬のうえでデメリットといえます。
とはいえ、他のいわゆる「オクターバー」「ピッチシフター」と呼ばれるエフェクターの多くは、ワーミーのような音程変化の仕方をする機能を備えていません。
「専用ジャックに外部エクスプレッションペダルを繋げばワーミーと同じような使い方ができる」という製品もありますが、やはり場所をとります。
そこで選択肢になるのが、「フットスイッチを踏んだ時だけエフェクトオン・足を離すと自動でエフェクトオフ」という機能を備えることで、エクスプレッションペダル無しでもワーミーのようなアーミング風の音程変化が可能なエフェクターです。
これぞまさに「ワーミーみたいなことがやりたいけどエフェクターボードに余裕がない」という人にぴったりですので、そういった製品を紹介します。
DigiTech / Whammy Ricochet
2016年に本家DigiTechが発売したペダルなしワーミーがWhammy Ricochetです。
(※読み方は「リコシェ」)
さすが本家の製品だけあって、ベースワーミーと同等レベルの低音検出精度を備えています。
同軸2連のBALLISTICSノブにより、「フットスイッチを踏んでから音程が変わりきるまでの時間(SHIFT)」と「足を離してから音程が元に戻るまでの時間(RETURN)」を個別に調整可能です。
ただ注意点として、出荷時は和音対応のChordsモードに設定されており、このモードでフットスイッチをモーメンタリー(踏んでいる間だけオン、足を離すとオフ)に設定するとエフェクトOFF状態でも音質劣化が酷いので、用途によってはClassicモード(単音のみ対応だが反応が速く、エフェクトOFF時の音質変化が少ない)に切り替えて使うべきでしょう。
この初期設定のせいで「音痩せする」と評価している人もおり、第一印象で損してんなあという感じがしますが、そのモード切替が難解なのが玉にキズです。
Twitterでこの話をしたらアキラのMETAL MANIACS.のakiraさんが日本語説明書の当該箇所を載せてくれました。↓(本当にややこしい)
Whammy Ricochetのクラシックモードとコードモードの切り替えはこれですな。この操作方法は説明書を読むかレビュー動画とかで予め知ってないと知らないままの人がいるかもしれない。
↓英語版の説明書(pdfファイル)https://t.co/r4iQbsDml5 pic.twitter.com/WGSdRXUJCj— akira (@igossometalzeyo) October 29, 2019
Electro Harmonix / Pico Pitch Fork
Whammy Ricochetよりも以前から販売され、MXRサイズで疑似ワーミー的な機能を実現していたのがエレハモのPitch Forkです。
旧機種は「踏んでからピッチが変わりきるまで」と「足を離してから元に戻るまで」の時間の調整に特殊な操作が必要で面倒だったのですが、2023年、そのピッチシフト時間をSWELLノブで調整できるよう改善した新型機種として、ミニサイズ版のPico Pitch Forkが発売されました。
小型の筐体でワーミー的なエフェクトがかけられる機種はこれぐらいしかなく、ベースにも難なく対応する検出音域の広さも大きな魅力です。
なお、本記事の趣旨からすると余談ですが、エレハモには逆に「エクスプレッションペダル部分だけのワーミー」みたいなSlammi Plusもあります。
ピッチシフターでありながら、見た目が完全にただのワウペダルというのが面白いです。
これも別種の「省スペース版ワーミー」といえるでしょう。
BOSS / PS-6 Harmonist
BOSSのピッチシフターには、ワーミー風の効果を得られるモードを備えた機種があります。
PS-5 Super Shifterで「T.ARM」という機能が搭載され、現行のPS-6 Harmonistにも「S-BEND(スーパーベンド)」というモードがあります。
調整できるのは「どこまでピッチを動かすか(SHIFT)」、「ピッチが変わりきるまでの時間(RISE TIME)」、「ピッチが元に戻るまでの時間(FALL TIME)」で、十分なコントロールを備えています。
ただ低音域のピッチ検出能力に難があり、2010年発売ということもあるので、そろそろベースの低い音域にも対応した新製品に期待したいところです。
なお、2025年、見るからに打倒ワーミーを狙った新機種XS-100 Poly Shifterとともに、コンパクトサイズのXS-1 Poly Shifterも発売されています。
ただ、こちらはMOMENTモードで「ペダルを踏んでいる間だけエフェクトオン、足を離すとオフ」という挙動にこそできるものの、無段階にギュイーンと音程変化するのではなく一瞬でピッチが切り替わるので、「ワーミーっぽい」とは全くいえない点に注意が必要です。
【2025年8月追加】KLOWRA / Vein Pitch Shifter
KLOWRAは2025年に立ち上げられた中国の新しいエフェクターブランドです。
2024年ごろまで流通していたALABS AUDIOのメンバーが関わっているようで、製品のラインナップがディレイ・リバーブ・マルチモジュレーション・ピッチシフターというのもALABSと同様ですね。
こちらのVeinというピッチシフターは、フットスイッチ長踏みでモーメンタリーモードとして動作し、GLIDEのアタックとリリースでピッチシフトの行きと帰りを個別に調整可能、そしてピッチシフト音にデチューンがかけられると、かなり多機能です。
ピッチシフターで高い音を出すと無機質な不自然さが出てしまいがちなので、ピッチを上げた音にデチューンがかけられるというのは音楽的に便利ではないかと思います。
こちらのオフィシャルの動画でも冒頭から(分かりやすく極端にされていますが)その音を聞くことができます。
というわけで、「ワーミーを導入したいけどでかすぎるから無理」という方におすすめのピッチシフターをまとめてみました。
一度使うと癖になるエフェクトです。
未体験の方は是非試してみていただきたいと思います。


