私は貧乏性なこともあり、基本的には「安い服であろうとなるべく大切に長く着るべき」という考えです。
しかし、その一方でやはり「人からどう見られるか」も重要であり、みすぼらしい見た目になってしまった服は外出時には着るべきではないと思います。
そんな私にとって、「これはもう外出には着れないなあ」となるまでの寿命が意外と短い服がストレッチ生地のスキニージーンズです。
ストレッチスキニージーンズの生地の特徴
前に書きましたが、私はユニクロのウルトラストレッチスキニーフィットジーンズが非常に気に入っていて、同じものを買って履き回しています。
現在販売されているタイプのメンズのウルトラストレッチスキニーは、2019年に発売開始したと記憶しています。
それ以前のユニクロのメンズスキニーは「スキニー」というほど細くもなく、レディースのスキニーを買って履いている男性もいたのですが、新しくなってからのメンズスキニーはなかなかタイトで綺麗なシルエットとなっており、評価の高い人気商品です。
この手の定番商品は、製造時期によって仕様が微妙に仕様が変わったりします。
このスキニーの生地も、2020年に買ったもの(右)と2021年に買ったもの(左)ではこのような違いがあります。(写真が上手く撮れなかった)
・2020:93% 綿、5% 複合繊維(ポリエステル)、2% ポリウレタン
・2021:90% 綿、6% ポリエステル、4% ポリウレタン
生地にストレッチ性を与えるための化学繊維の割合が変わっていますね。
実際にそこまでの履き心地の違いは感じませんでしたが、生地の性質に違いは出ているのかもしれません。
ともあれ、このポリエステルやポリウレタンを混紡することにより、スキニージーンズの生地は伸縮性が高く、足にピタッとフィットするわけです。
ストレッチスキニーの欠点、避けられない「劣化」
以上の通り、化学繊維の伸縮性により「よく伸び、縮んで元の形に戻る」というのがストレッチ生地の特徴です。
しかし、この「伸びる・縮む」という特性は永久的なものではありません。
どれだけ大事に履いても生地が劣化し、伸びっぱなしになって戻らなくなってしまうのです。
そもそもポリウレタン繊維の寿命は2~3年程度と言われています。
いつも履いていれば伸び縮みの繰り返しや汗などの汚れにより寿命は短くなります。
ストレッチ性が低下すると、腰回りのフィット感が落ちてベルトが必要になったり、膝がポコッと出たりします。
逆に着用せずにしまい込んでいても、それはそれで硬化して伸びなくなります。
伸縮性を失ったストレッチ生地からは、ちぎれた化学繊維が表面からピョコピョコ出てきます。
個人的にはこうなったらもう部屋着にするか捨てるかしかないと思います。
また、特に黒スキニーには別の問題もあります。
これは個人的には嫌いではないのですが、藍色のブルージーンズと比べると、ブラックの生地が白くなっていくのは色落ちというより色褪せと感じる人もいるのではないかと思います。
こういった見栄えの問題もあって、黒スキニーの寿命は実は決して長くないのです。
「膝が出たらアイロンで直る」の注意点
ネットで検索すると、「ジーンズのヒザがポコッと伸びてしまったらアイロンを当てよう!」みたいなクソ適当な記事が出てきます。
ただ、この手の膝抜け対処法は、基本的に綿100%のデニム生地で使う方法である点に注意が必要です。
ポリウレタンは熱に弱く、高温のアイロンの熱には耐えられません。
その一方で、短時間の低温アイロンでは、膝抜けをまっすぐに戻すほどの効果は得られません。
このことからも、ストレッチスキニーは長く履けるものではないと言えるでしょう。
「スキニーはユニクロで十分」の理由
最初に書いた通り、私はなるべく服を大事にしたいと思ってはいます。
しかし、素材の特性によってはそうも言っていられないのが実情です。
そして、その観点で言うなら人気ブランドの2万円ぐらいするスキニージーンズでも結局劣化する度合いは同じなので、個人的にはお金に余裕があるとしてもスキニーはユニクロで十分なのです。