【完全在宅】障害者雇用でフルリモートの仕事にたどり着くまでの全過程

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在宅勤務をはじめとするリモートワーク・テレワークはかなり一般化しましたが、今なお「障害者向けの在宅勤務の仕事」に関しては情報が多くないと感じます。
そこで、実際に障害者雇用かつフルリモート(完全在宅勤務)で働いている私が、「今の仕事を見つけるまでにどのような経緯をたどってきたか」を記録として残しておこうと思います。

※途中まで障害者雇用の話ではないですが、一般就労についての参考にもなればと思います。

はじめに

いきなり身も蓋もない話で申し訳ないのですが、ネット上にあるこの手の「転職体験談」みたいな話は、往々にして再現性が低いものです。
「その通りにやれば同じ結果が得られる」ということは全くなく、むしろ運の要素が9割以上と言っても過言ではないと思います。
タイミングに加えて、もちろん学歴や職歴も大きな要素です。

ただ私自身、現在の仕事を見つけるまでの過程で「何が新しい仕事に繋がるか分からないなあ」という体験をしています。
そのあたりを含め、なるべく余すことなく書いてみます。

鬱による正社員からのドロップアウト

元々、私は初めから障害者として就労していたわけではありません。
紆余曲折を経て発達障害(ASD)の診断がつき、障害者手帳を取得したのは2019年、34歳のときです。
まずは、それまでの経歴を順を追って書いていきます。

私は大学を卒業した後、とある業界団体に事務職員として採用されました。
いわゆる団体職員です。

その後、20代後半で転職し、日用品の製造メーカーへ。
そして30歳を過ぎたころに再度転職し、3社目の工業系メーカーで人生初の上場企業勤務となりました。
ここまでの計3社の職歴は全て正社員で、総務系の仕事を中心に担当しました。

先に書いた通り、私はこの時点ではまだ障害者手帳を取得していません。
というか、そもそも自分の発達障害を自認できていませんでした。

しかし3社目の会社で、人事まわりを含む業務を任されたことや、それまでの会社とは毛色の違う人間関係、さらには企業規模の大きさによる人数の多さまでもが徹底的に合わず、私は完全にメンタルをやられてしまいます。
結果、32歳にして正社員の仕事を退職せざるをえなくなってしまいました。
30過ぎて突然の無職です。

そして、いわゆる「大人の発達障害」について見聞きする中で、「もしかしたら自分もそうなのではないか?」と疑うようになったのがこの時期のことです。

無職期間中に2つのブログを立ち上げ

これは仕事探しと直接は関係しないのですが、後になって影響してくるので書いておきます。

私はこの無職の時期に、2つのブログを開設しました。
発達障害に関連する情報について書くためのブログ「波の下にも都はあるんだよな…」と、趣味である楽器・音楽関連の情報を発信するブログ「ベースエフェクター研究室」です。

※現在の当ブログはこの2つのブログの過去記事を統合したものです。

恥ずかしい話ですが、私は当時「プロブロガー」などと自称する界隈の煽りを真に受けて、「ブログで稼ぐ」ことを少しだけ夢見ていました。
しかし当然ながら、実際にはブログから収益を上げるのはそんなに簡単ではありませんでした。
ただ、流行に乗って「既存のブログサービスは使わず、レンタルサーバーを契約してWordPressで独自ドメインのサイトを立ち上げる」という判断をしたことが、後になってプラスに働くことになります。

完全在宅のアルバイト(ライター業務)

無職期間を経て徐々に心身の調子が回復してきた私は、とりあえずアルバイトから社会復帰を目指すことにしました。
この時考えたのが、「何か在宅で働けるバイトは無いか?」ということです。
しかし、色々な求人サイトを見てバイト探しをしても、当時はまだそんな求人はほとんどありませんでした。

そんな折、CMでもおなじみのIndeedをながめていて見つけたのが、とある音楽系ウェブマガジンのライター募集という求人でした。
実はIndeedは「求人サイト」というより「検索エンジン」であり、様々な求人サイトに掲載されている情報を横断的に見れるだけでなく、企業のウェブサイトにしか載っていないような求人にもアクセスできることがあるのです。

ウェブライターの経験はなかったものの、私はこの求人に飛びつきました。
そして、中学生の頃からバンドをやっていた経験や、ジャズやエクストリームメタルといった「ちゃんと書けるライターが少ないジャンル」に比較的詳しいこと、さらに音楽関係のブログをやっていることもプラスに働き、無事ライターとして採用されました。

入れるシフトが少なかったので、ここでの稼ぎは正直、お小遣い程度ではありました。
しかし私はここで、ウェブライティングの技術に加え、SEOなどのデジタルマーケティングの基礎について学ぶことができました。
これは自身のブログのブラッシュアップにもつながりました。

語学が得意なら海外企業の在宅ワークという選択肢も

なお、英語が得意な方であれば、海外の企業がワールドワイドに募集している在宅の仕事なんていう選択肢も存在します。
実際に働くことはできなかったものの、これについては個別記事で書いています。↓

【海外企業の在宅ワーク】LIONBRIDGEに申し込んでみた話
在宅バイトを探していたところ見つけた、アメリカのLIONBRIDGEという企業の仕事。できるなら「LIONBRIDGEのバイトに受かるまで」みたいなタイトルで書きたかったですが、残念ながら私は採用試験に合格することができず、採用はされません...

また、中国人向けオンライン日本語スクールの講師にも応募したことがあります。
公的な語学学校ではないので、資格がなくても講師になれるようでした。

ここまでの過程で、「誰でも応募できる在宅の仕事というのは確かに少ないが、探し方さえ工夫すれば見つけ出せる」と分かりました。

クラウドソーシングは向き不向きが大きい

ここでちょっと話を変えて、「フリーランスの在宅ワーカーとして稼ぐ」という方向について。

そのとっかかりとしてメジャーなのが、クラウドワークス等のクラウドソーシングサイトで受注した仕事で報酬を受け取るというものです。
私も一時期やっていました。

が、デザインやプログラミングなど、特筆できる専門スキルがない限り、クラウドソーシングでまともに稼ぐのはかなり厳しいというのが個人的な感想です。
逆に、何らかの資格や需要の大きいスキルを持っている人であればチャンスがあると言えるでしょう。

※余談ですが、なんせ私はクラウドワークスでマルチの勧誘に引っかかったこともあります。
興味のある方はご一読ください。↓

クラウドワークスの月30万円稼げる案件はマルチ商法「ワールドベンチャーズ」の勧誘だった
私は勤めていた会社を退職することになった後、アルバイトをしつつ、並行して長期的に続けられる在宅の仕事探しをしていました。しかし、単発ではない継続案件となると数も少なく、なかなかよさそうなものが見つかりません。そんなある日、クラウドワークスの...

在宅派遣を利用し、完全在宅の派遣社員に

上記いくつかの失敗もありつつ、たどり着いた2つめの在宅仕事がキャスターの「在宅派遣」を利用した派遣社員の仕事でした。

※この時点でもまだ障害者手帳は未取得です。
【在宅派遣】テレワーク派遣社員を実際にやってみた体験談
少し前から派遣の仕事を在宅でやっているのですが、それには株式会社キャスターの「在宅派遣」というサービスを利用しています。時給制の派遣社員契約でありながら家のパソコンで仕事ができ、出勤の必要がないというものです。そして実際に働いてみて、子持ち...

採用されたのは、詳細は伏せますが、またしても音楽関係にカテゴライズされる企業。
この仕事にもここまでの経緯が活きました。

この企業にはそもそも常駐の事務スタッフがおらず、担当業務はまさに「デスクワーク全般」という感じでしたが、これは総務経験の長い自分にとって難しいものではありません。
加えて、「WordPressでのウェブサイト管理」も任されるようになりました。
WordPressで個人サイトを立ち上げた経験が仕事の役に立ったわけです。

また、業界が業界だけに楽器やPAに関する知識も必要だったのですが、趣味のバンド活動で得た知識水準で十分にクリアできたことは幸運でした。

障害者向け転職エージェントへの登録

そしていよいよ、私は発達障害の診断を受け、障害者手帳を取得。
これが、前述の在宅派遣の仕事をしていた途中の時期、2019年の冬のことです。
この時点で私は34歳になっていましたが、ようやく「障害者雇用の仕事を探す」という選択肢が得られました。

とは言うものの、いくつかの障害者雇用向け転職エージェントに登録してみても、当初における仕事探しでは在宅で働ける仕事は思ったほど多くなかったというのが正直なところでした。
在宅勤務でも「週に1回は出社」という条件だったり、完全在宅なのに「対象は首都圏在住の方のみ」だったり、という感じです。

そんなこんなで2020年になり、焦りを感じながらTwitterで情報収集をしていたときのこと。
私がたまたま目にしたのが、「DIエージェント」という、それまで知らなかった転職エージェントのツイートでした。

「以前は首都圏限定のサービスだったのが関西圏にも対応スタート」という話なのですが、それよりも強く興味を引かれたのが、どうやらこのDIエージェントというところは「在宅勤務の掘り起こし」に力を入れているらしいという点でした。
私はすぐさまDIエージェントに登録しました。

職歴のブランクもあったので、実際に紹介してもらえた求人はさほど多くありませんでしたが、その中で正社員ではなく契約社員ではあるものの「ここで働きたい!」という完全在宅の求人がありました。
「全国どこに住んでいる人でもOKで出社の必要は一切なし」という求人は、当時(まさにコロナ前夜のタイミング)ではかなり珍しく、条件からしてライバルが多そうです。
しかし、ここで奇跡的なレベルでここまでの経験がピタッとはまったのです。

まず、この企業の業種は、私が新卒で働いていた団体が属する業界でした。
自分で言うのもなんですが、この業界を経験している人材はかなりレアです。

そして、業務内容にはウェブライティングやデジタルマーケティングの知識が求められました。
これはライターのアルバイト時代に経験済みですし、ブログの運営を通して常に最新情報を注視している分野でもあります。

さらに、この企業にとっては完全在宅勤務者の募集は初の試みであり、在宅で雇用されて働いた経験のある人が望ましいようでした。
はい!私2年ぐらい在宅勤務で働いてますよ!

実は正直、もうこの時点でかなり自信がありました。
そして実際に無事採用され、現在に至るというわけです。

「完全在宅の仕事なんかどうやって見つけたの?」に対する回答

というわけで、私は田舎の自宅から、東京の先進的な会社に完全リモート勤務をしています。
この結果に関しては、正直言って偶然の積み重ね的な要素がかなり強いです。
初めに書いた通り、ノウハウとしての再現性は低いといえます。

ただ、在宅勤務の選択肢自体は当時より確実に増えているので、「探し方次第で仕事は見つかる」というのも間違いないはずです。
重要なのは、その仕事を探し当てるために、求人サイトや検索エンジンでの検索、SNSの活用、そして複数の転職エージェントへの登録など、面倒でもあらゆるルートを用いてとにかく情報を集めることが不可欠だということです。
それによって、初めて「自分にとって効率的な仕事の探し方」が見えてきます。

私も情報収集に一番執念を燃やしました。
もちろん手間も時間もかかりますし、おかしな求人に引っかからないよう情報を取捨選択するのも大変ですが、何がプラスに働くかは本当に分かりません。
結果、入社3年経った2023年の春には正社員に登用されることができました。
とにかくやれることは全部やりましょう。

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