私は発達障害(ASD:自閉症スペクトラム)の診断を受け、2019年12月、精神障害者福祉手帳を取得しました。
その申請手続き中であった11月ごろから、障害者向けの転職エージェントを中心に障害者雇用の仕事を探し始め、2020年の5月から現在の職場で働いています。
実際に求職活動をする中で、「発達障害だからこそ独力で仕事を探すよりも転職エージェントの力を借りるべきだ」と思ったので、当事者としてこの記事でまとめておこうと思います。
発達障害に転職エージェントをすすめたい理由
私は障害者手帳を取得する前、一般就労で働いていた間にも、何度か転職をしています。
そして、その時から転職の際には転職エージェントを利用しています。
発達障害当事者にとって、「複数の求人に同時進行で申し込み、履歴書が通った企業の面接予定をスケジュール管理し、各日程に向けて事前に面接対策をする」というのを自力でこなすのはかなり大変です。
しかし、転職エージェントを利用すれば、自分に合った求人を紹介してくれるだけでなく、求人への応募や面接の日程調整など、面倒なことを担当のキャリアアドバイザーさんに任せることができます。
それだけでなく、面接対策を手伝ってもらえたり、登録しないと見ることができない非公開求人を紹介してもらえるのも大きな魅力です。
利用は無料であり、実際に採用が決まった時に企業から転職エージェントに報酬が支払われる仕組みなので、お金は一切かかりません。
「大手人材会社の障害者向けサービス」は意外と少ない
さて、一般就労で会社員をやったことがあれば、なんとなく「障害者雇用の仕事探しでもリクナビとかマイナビとかの有名どころを使いたいな」と考えるのではないかと思います。
私も最初はそう思いました。
しかし、リクルートが運営する障害者向けサービスのアビリティスタッフィングは対象エリアが首都圏限定ですし、私が職探しをしていた時点では、マイナビには障害者向け求人サービス自体がありませんでした。
逆に、「健常者は聞いたこともないような転職支援サービスに障害者向けの実績がある」というケースもあります。
基本的に「一般的に名の知れた転職支援サービス」と「障害者雇用」は別物であることをまず頭に入れておきましょう。
【※注意】必ず2つ以上の転職エージェントに登録しよう
これは障害者雇用に限らずですが、1つだけではなく、必ず複数の転職エージェントに登録しましょう。
確かに、1つの転職エージェントに登録するだけでも様々な企業の求人を紹介してもらうことはできます。
しかし、「特定の転職エージェントからしか申し込めないレアな求人」というのは実際に存在します。
また、複数社のキャリアアドバイザーから話を聞くことで様々な視点から自分の強みや弱みに基づいたアドバイスをもらえるのは大きなメリットで、自己分析の精度が大幅に上がります。
それだけでなく、「担当についたキャリアアドバイザーとの相性が合わなくて転職活動が思うように進まない」というリスクを分散することにも繋がります。
だからといっていくつも登録しすぎると管理が面倒なので、転職エージェントは2つぐらいを目安に登録しておきましょう。
では、ここからオススメの転職エージェントを紹介していきます。
この手のブログ記事では無節操にいくつも紹介するのがありがちですが、この記事では全て私が実際に使ったものか、直接の知人が利用したことがあるものから厳選しています。
dodaチャレンジ
まずは有名どころから、パーソルグループが運営するdodaチャレンジです。
正直に言うと、私は過去の経験から一般就労のほうのdodaには良い印象がないため、dodaチャレンジを使うのも最初は不安でした。
しかし、障害者向けのdodaチャレンジに関しては、個人的にトップクラスの高評価です。
実際に使って一番ありがたかったのが、初回の面談の日程調整です。
障害者向けサービスしかやっていない小規模の人材会社だと、面談可能な時間帯が妙に少なかったりもします。
その点、さすが大手の運営だけあって、柔軟な対応にdodaの強みを感じました。
先に「大手の人材サービスと障害者向けは別物」と書きましたが、このdodaチャレンジは良い意味でdodaとは別物でした。
そのうえ(これは運の要素もありますが)、実際に利用した中でも発達障害への理解が深く、とても信頼できる担当者さんに当たりました。
atGP(アットジーピー)
一般的にはそこまで知られていないかもしれませんが、障害者向け専門の転職サービスとして有名なのがatGP(アットジーピー)です。
通常の求人検索や転職エージェントに加え、年収500万~1000万円クラスを目指すハイクラス求人に特化した「atGPハイクラス」というサービスもあるので、相応の実績がある人や年収アップを目指す人は登録しておくべきかと思います。
転職エージェントを実際に利用しましたが、担当者さんは障害者雇用制度に対する理解の深さがうかがえる方で、障害者を雇用する企業側の視点から見た情報も色々と教えてくださったのが好印象でした。
マイナビパートナーズ紹介
私が障害者雇用の仕事を探していた時点では、マイナビは障害者向けの人材サービスを提供しておらず、あったのは新卒向けの「マイナビチャレンジド」だけでした。
しかし、2020年9月に新たに障害者向け転職エージェントとしてマイナビパートナーズ紹介がスタートしています。
SNSで交流のある方がこちらを利用したそうですが、私がdodaチャレンジで感じたのと同様「大手ならではの使い勝手の良さだった」とのことですので、大手人材会社系の障害者向けサービスとして登録の候補になるのではないかと思います。
DIエージェント
私が現在働いている仕事の内定を得たのがDIエージェントです。
基本的には首都圏と関西圏のみのサービスなのですが、コロナ以前から在宅のテレワーク求人の掘り起こしに力を入れており、2019年末の当時において、私の希望する在宅フルタイムの求人が見つかったのは唯一ここだけでした。
【経緯をまとめた記事↓】

まとめ
以上、発達障害当事者として障害者雇用で働く管理人がおすすめする転職エージェントをご紹介しました。
求人がウェブ上に公開されておらず、転職エージェント経由でしか申し込めない仕事というのはけっこう存在します。
また、私は人事系の部署で働いていたこともあるのですが、やはり自己流で転職活動を行っている求職者よりも、第三者のアドバイスを受けて履歴書や面接対策をブラッシュアップしている求職者の方が印象は良いです。
希望の条件での転職を成功させるためにも、ぜひ相性の合う転職エージェントを見つけて、納得のいく仕事探しを成功させていただければと思います。