発達障害・精神障害のある人が障害者雇用での転職を考えるなら、転職エージェントを複数利用することをおすすめします。
私自身、発達障害(ASD)の診断を受けて精神障害者手帳を取得した後、障害者向け転職エージェントを利用して仕事を探し、2020年5月から現在の会社で働いています。
この記事では、私が実際に利用したサービスを中心に、「何が良かったのか」「どんな人に向いていると思ったか」まで含めて紹介します。
・これまでに会社員やアルバイトなどの就労経験がある
・発達障害の診断や障害者手帳の取得をきっかけに障害者雇用への転職を考えている
・現在の仕事を続けながら転職先を探している
・一人で転職活動を進めることに不安がある
・障害者向け転職エージェントを比較して選びたい
・一般就労から障害者雇用への転職を考えている
※本記事は私の実体験に基づくものであり、かつ転職エージェントの特性から、「これまで働いたことがなく初めて仕事を探す人」を主な対象としていない点をご了承ください。
発達障害が転職エージェントを使うメリット
私は障害者手帳を取得する前、一般就労で会社員として働いていた間にも、何度か転職をしています。
そして、その頃から転職活動では転職エージェントを利用していました。
転職活動では、「複数の求人に同時進行で申し込み、書類選考に通った企業の面接予定を管理し、それぞれの面接に向けて準備する」という作業そのものが負担になることがあります。
発達障害当事者にとってはなおさら負担が大きく、私自身も過去の転職活動では苦労しました。
転職エージェントを利用すると、自分に合った求人を紹介してもらえるだけでなく、求人への応募や面接の日程調整などを担当のキャリアアドバイザーに任せられます。
さらに、面接対策や応募書類についてアドバイスを受けられたり、一般公開されていない求人を紹介してもらえたりする場合もあります。
これはまさに「苦手分野の外注」であり、自分でやるべきことだけに集中できるのは大きなメリットとなります。
もちろん、転職エージェントを使ったからといって転職が成功するわけではありません。
担当者との相性もありますし、自分の希望条件に合う求人が必ず見つかるとも限りません。
それでも、一人で転職活動をするよりも「相談できる第三者がいる」ことには大きな意味があると私は感じました。
また、転職エージェントは基本的に求職者側の利用料が無料です。
採用が決まった際などに企業側からエージェントへ報酬が支払われる仕組みなので、求職者が転職相談や求人紹介のために料金を支払う必要はありません。
そのため、少なくとも「自分に合うサービスがあるか試してみる」という意味では、利用するメリットは大きいでしょう。
「大手人材会社なら安心」とは限らない
一般就労で会社員をやったことがある人なら、「障害者雇用の仕事探しでも、リクナビやマイナビのような有名な人材会社を使えばいいのでは?」と考えるかもしれません。
私も最初はそうでした。
しかし、実際に調べてみると、一般的な転職サービスと障害者雇用向けの転職サービスはかなり別物です。
例えば、リクルートが運営する障害者向けサービスのアビリティスタッフィングは対象エリアが首都圏限定です。
一方で、一般にはあまり名前を知られていない人材会社が、障害者雇用では豊富な実績を持っているケースもあります。
つまり、「一般的に有名な転職サービス = 障害者雇用にも強い転職サービス」とは限らないのです。
障害者雇用の転職先を探すのであれば、障害者雇用を専門的に扱っているサービスを選択肢に入れることをおすすめします。
転職エージェントは1社だけに絞らない
これは障害者雇用に限った話ではありませんが、私は転職エージェントを2社程度利用して比較することをおすすめします。
1社だけでも求人を紹介してもらうことはできます。
しかし、特定の転職エージェントからしか応募できない求人が存在することもあります。
また、複数のキャリアアドバイザーから話を聞くことで、自分では気づかなかった強みや弱みについて、違った視点からアドバイスをもらえることもあります。
発達障害の場合、そもそも、「自分のどんな部分を企業に伝えればいいのか」というところから悩むことがあります。
複数の担当者に相談することで、自己分析の精度を高めることにもつながります。
さらに、担当者との相性もあります。
どれだけ評判の良い転職エージェントでも、担当者との相性が悪ければ転職活動が進みにくくなることがあります。
その意味でも、複数社を利用しておくことにはメリットがあります。
ただし、あまりにも多く登録すると、今度は求人や連絡の管理だけで疲れてしまい、本末転倒です。
そのため私は、まず2社程度に登録し、対応や求人を比較するくらいがちょうどいいと考えています。
ここからは、私が実際に利用したもの、あるいは直接の知人が利用したものの中から、障害者雇用の転職先を探す際に候補になるサービスを紹介します。
dodaチャレンジ
まずは紹介したいのが、dodaでおなじみのパーソルグループが運営するdodaチャレンジ
です。
正直に言うと、私は過去の経験から一般就労向けのdodaにはあまり良い印象を持っていなかったため、dodaチャレンジを利用することにも最初は少し不安がありました。
しかし、障害者向けのdodaチャレンジについては、実際に利用してかなり良い印象を持ちました。
特にありがたかったのが、初回の面談の日程調整です。
障害者雇用専門の小規模な人材会社の場合、面談可能な時間帯が限られていることもあります。
その点、大手人材会社ならではの対応力にはメリットを感じました。
また、これは担当者との相性という部分も大きいと思いますが、私が利用した際には発達障害についての理解が深く、信頼できる担当者に対応してもらうことができました。
大手企業が運営する障害者向け転職サービスを利用したい人なら、まず候補に入れてよいサービスだと思います。
atGP(アットジーピー)
障害者雇用に特化した転職サービスとして知られているのがatGP(アットジーピー)
です。
atGPには通常の求人検索・転職支援に加えて、ハイクラス求人を扱うサービスもあります。
そのため、障害そのものが仕事上の大きな制約になっておらず、これまでの職歴や実績を生かしてキャリアアップを目指したい人にとっては、登録を検討する価値があるでしょう。
私も実際に転職エージェントを利用しましたが、担当者は障害者雇用の制度面について詳しく、企業側から見た情報もいろいろと教えてくれました。
「障害者雇用だからキャリアアップは難しい」と最初から決めつけず、これまでの経験を生かして転職したい人には、特に候補に入れてほしいサービスです。
マイナビパートナーズ紹介
私が障害者雇用の仕事を探していた時点では、マイナビは障害者向けの人材サービスを提供しておらず、あったのは新卒向けの「マイナビチャレンジド」だけでした。
その後、2020年9月に障害者向け転職エージェントとしてマイナビパートナーズ紹介
がスタートしています。
こちらは私自身が利用したサービスではありませんが、実際に利用した知人から話を聞いています。
私がdodaチャレンジで感じたのと同様に、「大手ならではの使い勝手の良さがあった」との感想でした。
大手人材会社が運営する障害者向け転職サービスを比較したい場合には、候補の一つになるでしょう。
DIエージェント
私が利用した2020年当時、DIエージェントは在宅勤務・テレワーク求人の掘り起こしに力を入れていました。
当時の私が希望していたのは「フルタイムで働ける完全在宅の仕事」。
しかし、当時は現在ほど完全在宅の求人が多くありませんでした。
実際に複数の転職エージェントへ登録しましたが、私の希望する条件に合う求人が見つかったのはDIエージェントだけでした。
もちろん、これは2020年当時の私の体験です。
現在の求人状況やサービス内容が同じとは限りませんし、求人数だけを比較すると大手サービスの方が多い場合もあります。
それでも、自分の希望条件がはっきりしている人は、複数のエージェントの一つとしてDIエージェントを検討する価値があると思います。
私がどのようにして、この完全在宅の仕事にたどり着いたのかについては、別の記事で詳しく書いています。
【当時の経緯をまとめた記事↓】

私が障害者雇用への転職でエージェントを使ってよかったと思う理由
ここまで4つの転職エージェントを紹介しました。
ただ、この記事で一番伝えたいのは、特定のサービスに登録することそのものではありません。
私自身の転職活動を振り返ると、転職エージェントを使ったことで「自分一人では気づかなかった可能性」を広げられたことが大きかったと思っています。
私は障害者手帳を取得した時点で、すでに30代半ばでした。
しかも、直前までの職場ではメンタル面の問題から退職した経験があります。
「こんな自分を雇ってくれる会社があるのだろうか」と考えてしまうのも無理のない状況でした。
ところが、実際にエージェントへ相談してみると、自分のこれまでの経験の中にも企業側から評価されるものがあることが分かりました。
自分では「たいした経験ではない」と思っていたことが、企業によっては意外な強みになる。
これは、転職エージェントを利用して初めて気づけることもあると思います。
発達障害の転職では「自分に合うエージェント」を探すことが大切
発達障害があるからといって、必ず転職エージェントを使わなければならないわけではありません。
ハローワーク、求人サイト、企業の採用ページ、知人からの紹介など、仕事を探す方法はいろいろあります。
ただ、私自身の経験からすると、障害者雇用への転職を考えている就労経験者なら、転職エージェントを一度は利用してみる価値があると思います。
特に発達障害の場合、
「自分の障害について企業にどう説明すればいいのか」
「どこまで配慮を求めていいのか」
「これまでの職歴の何をアピールすればいいのか」
といった、一般的な転職とは少し違った悩みが出てくることがあります。
障害者雇用を専門的に扱っている転職エージェントなら、こうした部分について相談できる可能性があります。
一方で、担当者との相性や紹介される求人には個人差があります。
だからこそ、私は1社だけに決め打ちするのではなく、2社程度に登録して比較してみることをおすすめします。
まとめ:発達障害者の転職を自力で全部やろうとしない!
今回は、発達障害当事者である私が実際に利用した経験などをもとに、障害者雇用の転職エージェントを紹介しました。
私が利用したサービスや、身近な人から聞いた経験をまとめると、以下の4社が候補になります。
・dodaチャレンジ
大手人材会社ならではの使いやすさを重視したい人に。
・atGP
障害者雇用に特化したサービスで、転職やキャリアアップを考えたい人に。
・マイナビパートナーズ紹介
大手マイナビグループの障害者向け転職サービスを利用したい人に。
・DIエージェント
私自身が完全在宅の求人から内定を得ることにつながったサービス。
もちろん、転職エージェントに登録しただけで転職が成功するわけではありません。
また、私が転職に成功した経緯をそのまま再現すれば、誰でも同じ結果になるわけでもありません。
転職には、職歴、スキル、年齢、希望条件、企業側の事情、求人が出るタイミングなど、さまざまな要素が関係します。
それでも、一人だけで求人を探して応募するのではなく、第三者の力を借りることで選択肢を広げられる可能性はあります。
私自身も、現在の仕事にたどり着くまでには、転職エージェントだけでなく、求人サイト、SNS、企業サイトなど、使えるものはかなり幅広く利用しました。
そして振り返ってみると、当時は「こんな経験が何の役に立つのだろう」と思っていたものが、後になって仕事につながっています。
「自分には大した経験がない」と思っている人ほど、第三者に職歴を見てもらうことで、意外な強みが見つかるかもしれません。
これまでに働いた経験があり、発達障害の診断や障害者手帳の取得をきっかけに、これから障害者雇用への転職を考えている方は、まずは自分に合いそうな転職エージェントを2社程度選び、話を聞いてみるところから始めてみてください。

