エレハモの名作エフェクター、Bassballsの現行機種であるNano Bassballsです。
「簡単操作で変な音が出るベース用飛び道具エフェクター」と言えばこれが大定番でしょう。
私にとって初めてのフィルター系エフェクターであり、同時に初めてのエレハモ製エフェクターでもありました。
エレハモとの出会い
学生の頃、私はファンク好きの友人の影響で「オートワウ(エンヴェロープフィルター)」と呼ばれるエフェクターに興味を持ちました。
しかし、その時に楽器店で適当に試奏したエンヴェロープフィルターはコントロールが多く、エフェクター初心者には操作が難解。
私はこの経験で、オートワウに苦手意識を持ってしまいました。
そんな折、Electro Harmonixが「Nanoシリーズ」としてMXRサイズのエフェクターを一挙に発売したのが2006年のことです。
当時の私は「エレハモ?あのビッグマフとかいうバカでかいファズ作ってるところ?」ぐらいの認識でしたが、そのラインナップにNano Bassballsという妙に簡単そうなエフェクターを見つけ、音を出した瞬間に一発ではまってしまいました。
音色の特徴はこちらの動画が分かりやすいです。
コントロールの特徴
コントロールは極めてシンプル。
歪みのオンオフを切り替えるDISTのミニスイッチと、フィルターの開閉を調整するRESPONSEのノブだけです。
DISTがOFFのときは、あまり強烈なエフェクトではありません。
弾いたときのアタック音に応じて、「ピャウ」「ヒョウ」というフェイザーのような音がついてくる感じです。
RESPONSEを上げすぎると、フィルターが開きっぱなしになって「ヒャーーン」というような音になります。
やはりこのエフェクターの真価はDISTスイッチONでしょう。
「ぎゃおぅ」「べあおぅ」という、シンセのようなというか、ゲロを吐いているような変な音を簡単に出すことができます。
ただ、DISTがONの状態だと、RESPONSEつまみで音量も変化してしまいます。
軽くかけようとすると音が小さく、RESPONSEを上げていくと音が必要以上に大きくなってしまうので、実用的な音量で演奏しようとすると音作りの幅が狭いのが難点です。
また、これが発売された当時は、でかい筐体の旧型アメリカ製Bassballsも、さらにでかいロシア製の黒いBassballsもまだ流通していたのですが、それらと比較するとNano Bassballsは若干おとなしめの音になってしまっていました。
旧モデルとの違いについて
エレハモの最近の製品はどれもクオリティが高いのですが、小型化に踏み切った当時の製品は、Nano BassballsだけでなくNano CloneやLittle Big Muff等「音が全然違う」「前の方が良かった」という声が多くありました。
Big Muffシリーズはその後、商品ラインナップの充実で評価を上げましたが、Bassballsについては新バージョンの製品もまだ出ていません。
とはいえ、現在においても「簡単操作でアホな音を出せるベース用エフェクターといえばNano Bassballs」とおすすめできるほど、時代を超えた魅力のあるエフェクターであることは間違いないと思います。