今回はまたロシアンマフ系です。
私は一時期、数万円以上する同じようなエフェクターを買い集めていました。
しかし、このNano Bass Big Muffは「高いエフェクターばかり見てちゃダメだな」と気付かせてくれた一台でした。
音色とコントロール
とりあえず、まずはこちらのオフィシャル動画をご覧ください。
コントロールは、音量を調整するVOL、トーンを調整するTONE、歪み量を調整するSUSTAINの3つのノブに加え、DRYモードのON/OFFを切り替えるミニスイッチがあります。
ビッグマフ系のエフェクターについて記事にするたびに毎回書いている気がしますが、ビッグマフのトーンコントロールは、ギターやベースの本体についているトーンコントロール(ローパスフィルター…全開でフラット、絞ると高音域を削っていく)とは異なり、「絞れば低音モリモリ、開くと低音が削られて高音ギャリギャリ」という特性があります。
また、DRYスイッチをONにすると、エフェクターOFFのときと同じ音量の原音が足されるという点も特徴的です。
この機種ならではの特徴
で、このNano Bass Big Muffですが、機能面では「Bass Big MuffからBASS BOOSTモードを取り除き、MXRサイズに小型化したもの」と言えると思います。
しかし、「Bass Big Muffの売りであったベースブーストが使えないならこちらを選ぶ理由は小さいサイズだけか?」というとそうではありません。
実は、Bass Big MuffとこのNanoでは音が全然違うのです。
なんとNano Bass Big Muffは、その価格からは信じられないレベルで90年代のアーミーグリーンのロシア製ビッグマフに肉薄した音が出せます。
類似機種との比較
私は当時、馴染みの楽器店にこのNano Bass Big Muffを試奏しに行った際、所有していたロシアンマフクローンのWren and Cuff製Tall Font Russianを持参し、ちょうど在庫していた中古のロシア製ビッグマフ(アーミーグリーン)もあわせて比較することができました。
Tall Font Russianは、アーミーグリーンを少しだけギュッと固めたような質感の音でしたが、なんとNano Bass Big Muffは3倍近くの金額で購入したTall Font Russianにかなり近い音が出たのです。
もちろん全く一緒ではなく、Nano Bass Big Muffの方がやや平坦で、ニュアンスが出しにくいことに加え、小奇麗にまとまっている感じはありましたが、価格を考えれば目をつぶれるレベルだと感じました。
このNano Bass Big Muff購入後、私は当時他に所有していた高価なクローンエフェクターの方を売却してしまいました。
これで十分だと思ったからです。出してるの本家エレハモだし。
ロシアンマフ系のエフェクターを探しているなら、ベーシストに限らずギタリストにとっても選択肢の一つになると思います。