私にオートワウ系エフェクターの面白さを教えてくれたのが、エレハモのMicro Q-Tronです。
この手のエフェクターに関しては正直、「エレハモを使ったら他のメーカーでは物足りない」という方も多いと思います。
シンプルなコントロールは、初めてのエンヴェロープフィルターとしてもおすすめできます。
コントロールの特徴
コントロールはシンプルで、3つしかありません。
まず、LP(ローパス)、BP(バンドパス)、HP(ハイパス)を選択する3ポジションのセレクターです。
フィルターをかけずに原音を出す帯域を低音域・中音域・高音域から選ぶことができるもので、ベースで使うなら基本的にはローパスがおすすめです。
バンドパスやハイパスでも面白い効果は出せますが、低音が削られてしまいます。
Qというのはフィルターのピーク周波数の調整です。
簡単に言えば、上げれば上げるほどビャウビャウというフィルターの効きが強調されます。
私の場合はひとまず全開スタートで、「うるさいかな?」と思ったら適宜下げるという調整方法でした。
そして、DRIVEがフィルターの感度を調整します。
これを上げると、入力される信号に対して敏感に反応するようになります。
音作りのポイント
この手のエフェクターは、入力感度が低すぎると、全力でスラップしてもフィルターが開かず「んもっ、んもっ」としかいいません。
逆に、入力感度が高すぎると弱く弾いてもフィルターが開きっぱなしになり、「ヒャー!ヒャー!」という音になってしまいます。
なので、「ワウッ!ワウッ!」という歯切れのよい音にするには、使用する楽器の出力に応じてDRIVEを調整する必要があります。
これらのコントロールの役割を踏まえて音を出してみると、適当なセッティングでも強烈なオートワウサウンドが得られます。
簡単操作で低音域までグワッとえぐり取るような音が出せる、まさにベーシスト向けのエンヴェロープフィルターです。
ベースで使ったときの音については、こちらの動画が分かりやすいです。
音量調整ができないという欠点
ただ、このMicro Q-Tronにはひとつ大きな欠点があります。
ローパスモードのとき、エフェクトをONにすると音量がやたらと大きくなるのです。
フィルター系のエフェクターは、「特定の周波数の音を削り取る」ような働きをするので、エフェクトOFF時と比べるとどうしても少し引っ込んだ感じの音になります。
なので、「ONにすると音量が上がる」ということ自体は本来悪いことではないのですが、このエフェクターに関しては音量が上がりすぎなのです。
試奏や自宅練習レベルならそこまで気になりませんが、スタジオやライブでの大音量となると、急激に音がでかくなってしまい、アンプからの出音が不必要に歪んでしまうことさえありました。
モードをローパスではなくバンドパスにすれば、一応音量が上がるのを抑えることができますが、肝心の低音が引っ込んでしまうので、できればローパスモードで使いたいところです。
ブースター等の音量調整ができるエフェクター(音を小さくする方向にも調整できるもの)と組み合わせる必要があるかもしれませんし、改造してマスターボリュームを追加している人も見たことがあります。
「そこまでするか?」と言われそうですが、そこまでしてでも使いたい、エグい効きっぷりのエフェクターです。
【追記】ボリュームを備えたNano Q-Tron登場!
2021年12月、ついに音量のコントロールが可能となった新商品として「Nano Q-Tron」が発売されました。
オフィシャルの動画でベースでの演奏も聴くことができます。
(↓スタート位置指定してあります。2:20~)