MXRはBass Innovationsと称して多くのベース用エフェクターをリリースしていますが、このファズもその一つです。
このシリーズ、なかなか優等生的な機種が多い印象です。
こちらもファズとしては非常に扱いやすい一台です。
コントロールの特徴
このファズのコントロールは、DRY、WET、TONE、FUZZの4つです。
DRYは文字通り、原音の音量の調整。
WETがウェット音(歪んだ音)の音量の調整です。
TONEはウェット音だけに効くトーンなのですが、少し独特の効き方をします。
「絞っていくことで楽器本体のパッシブトーン(ローパスフィルター)のように高音域を削る」というだけでなく、逆に上げていくと、高音域が強調されると同時に低音域が削られるのです。
ビッグマフほど大袈裟な効き方ではないですが、似たような回路構成になっているのかもしれません。
FUZZが歪みの深さの調整です。
歪みの音色の方はビッグマフ系とは異なり、かなり派手な「ベヂヂヂヂヂ!」という音色です。
また、TONEを絞れば、「ボリボリボリ」「ブモモモモ」というような、往年のプログレッシブロックを思わせる音も出せます。
音作りのポイント
そして、このエフェクターのTONEノブの「原音には効かない」「上げていくとウェット音の低域が少し削れる」という効き方を踏まえると、DRYノブが最終調整のポイントになります。
TONEを絞った状態の音作りであれば、DRYを上げると低音モリモリのファズ音に原音をそのまま足すということになります。
原音がワイドレンジなクリーンサウンドだと、せっかくの古臭いファズの魅力が削がれてしまうので、DRYは控えめにするべきでしょう。
一方、TONEを上げたバリバリうるさいファズ音のときは、DRYをゼロにすると低音がやや不足してしまうので、最終的にDRYを少し足すことで、音程感を維持しつつ派手な歪み音を出すという使い方が良いと思います。
「扱いやすい」ことの良し悪し
このファズ、わりとノイズが少ないと思いますし、TONEを絞っても音に存在感があり、全体的に現代的な音がします。
ただ、その分なんとなくハイファイな感じがするというか、どのセッティングでも音が扱いやすくまとまる優等生的な扱いやすさなので、「ノイズの多さも含めてファズだ!」というような方からすると、少し物足りないかもしれません。
とはいえ、MXRのベース用エフェクターは他にも色々購入しましたが、どれも「現代のベーシストが求める音を過不足なく出す」という感じで確かに使いやすいです。
同シリーズのエフェクターは今後も紹介していきます。