One Controlから乗り換えて使用していた、最大5ループのスイッチャーです。
プログラマブルスイッチャーというとMIDI対応等の複雑なものが多いですが、こちらはシンプルな操作性が特徴でした。
電源はDC9Vアダプター、専用アダプター付属。
安いスイッチャーとの比較
過去に使用していた機材の写真はあまり残っていないのですが、このスイッチャーを使っていた頃のボードの写真がありました。

これを導入する前に使っていたOne Controlのスイッチャーは、プログラムが簡単で非常に使いやすかったのですが、いくつか不満点がありました。
それと比較すると、このLoop and Linkは非常に優れている点がありました。
まず1つは、フットスイッチを踏んだときのノイズがないという点。
One Controlのほうは、スイッチを踏む際、トゥルーバイパスのエフェクターを踏んだときのような「ボン」という大きい音ではないものの、結構気になるレベルの音量で「ブッ」というノイズが出ました。
しかし、Loop and Linkは、ほぼ無音といっていいレベルでスイッチングノイズがありませんでした。
また、踏み間違いがほとんど起こらないという点も良かったです。
CAJに限らず、ProvidenceやFree The Toneといったプロ御用達のスイッチャーの多くは、フットスイッチの間隔が広くとってあります。
他方、安いスイッチャーはだいたいフットスイッチの間隔が狭いです。
バッファーの音質もナチュラルですし、インプットだけでなくアウトプットにもバッファーを備えています。
これによる効果か、信号が通過するエフェクターの組み合わせが変わっても音の質感が極端に変わることなく安定します。
スイッチャーなのに「スイッチ二度踏みでエフェクトOFF」ができる!
そして、個人的に最大のポイントが、同じスイッチを再度踏むことでエフェクターをOFFにできるという点です。
これはプログラマブルスイッチャーを使ったことがない人には伝わりにくいのですが、この手のスイッチャーの多くは、例えば「ファズとディレイを通すプリセットのスイッチ」を1度踏んでONにしたあと、もう一回同じスイッチを踏んでもOFFにはなりません。
エフェクターを通さないドライ音に戻すには、別の「エフェクターを1つも通さないプリセットのスイッチ」を踏む必要があります。
私はこの、コンパクトエフェクターとは大きく異なる操作感にどうも慣れませんでした。
しかし、Loop and Linkには最も使用頻度の高いサウンドを保存する「メインプリセット」という機能があります。
メインプリセットは、同じフットスイッチを2回踏むことで呼び出せます。
すなわち、メインプリセットを「全てのエフェクターがOFFの状態」にしておけば、エフェクトONにするために踏んだスイッチを再度踏むことでエフェクトをOFFにすることができます。
これにより、コンパクトエフェクターと同じ感覚で、複数のエフェクターの同時ON/OFFができるのです。
機能を取るか分かりやすさを取るか
このスイッチャーにはバンク切替機能はないので、保存できる音色の数はメインプリセット含め6プリセットだけと少ないです。
最近の多機能エフェクターを使いこなすには必須であろうMIDI機能もありません。
しかし、自分のようなアナログ人間にとっては、ややこしい機能は付いていない方が安心です。
「とにかくシンプルで、単純に複数のエフェクターを切り替えるだけ。ただし、音質や踏みやすさには妥協したくない」という人には、現在でも一番おすすめしたいスイッチャーです。
なお、私が使っていた旧型は、重量が約1.4kgとけっこう重かったのですが、後継機種のLoop and LinkⅡは約半分の重さになっています。
また、2インプットと原音ミックス機能を備えて小型化したベース用のLoop and Link Bも、エフェクターの数が少ない人には選択肢になると思います。
「機能が少ない割にはでかい」というのが正直なところではあるので、もっとスリムなサイズだと嬉しいですが、意外と替えの効かない優秀なスイッチャーです。

