お絵かき玩具の定番「おえかきせんせい」の修理について調べ、自分でやってみたのですが、ネット上に出回っている方法には一部間違いがありました。
そこで、実際に行った作業の手順を、注意点を含めて書き残しておくことにしました。
今回は、黒と赤のペンで色を書き分けられる「2カラーせんせい」が長期間の使用で酷く劣化しため、スクリーンを入れ替える修理を行いました。
この記事は2020年9月に書いたものですが、その後、赤黒2色で書き分けられる「ジッキースーパーライトBR」は生産終了し、同じ中身の後継品は存在しないことを確認しました。
さらにその後、パイロット社は磁気ボードから撤退し、全製品が生産終了してしまいました。
類似商品はいくら探しても見つからないので、赤白書き分けられる商品はもはや市場に存在しないようです。
この記事は情報として残しますが、以下の方法での修理は既に不可能である点をご了承ください。
破損状況
さて、まず今回の主役である2カラーせんせいです。
兄弟2人による酷使で、黒い色が消えない部分が多く発生し、中央部分は何も書けなくなり、さらに右下が一部破れてしまっています。
(※左上のモザイクは名前を隠しています)
2カラーせんせいは廃番、純正の修理パーツも購入不可
最初は単純に、同じ2カラーせんせいを再度買おうと思っていたのですが、通販で探すと以前の購入価格よりも遥かに高いプレミア価格のような値付けになっています。
調べてみると、2カラーせんせいは知らない間に生産終了で廃番になっていました。
となると、「同じものを買い直す」という手段は不可能です。
うちの子供たちは「赤と黒の2色のペンで書き分けできる」というのを気に入っていたのですが、2020年現在のタカラトミーの現行商品「アプリでうごく!おえかきせんせい」はペンが黒一色だけです。
スマホアプリと連動して遊べるようにするには単色の方が都合が良いのでしょうが、うちはそういうのは求めてねえんだよなという感じです。
調べた限り、他メーカーのおもちゃにも類似品はありません。
また、以前は別売りで交換用のパーツを購入できたのですが、現在は交換部品の取り寄せも不可能でした。
ジッキースーパーライトBR
そこで今回、2カラーせんせいと互換性があるらしいパイロットの「ジッキースーパーライトBR」を購入してみました。
なお、2カラーせんせいのスクリーンに使う場合には本当に注意していただきたいのですが、通販で購入される場合は品名に「BR」がついていることを必ず確認してください。
黒と赤の2色で書き分けるのであれば、普通のジッキーではなく、黒赤2色に対応した「BR」の方(型番は「JB-06-W」)が必要になります。
※ブラック(Black)とレッド(Red)だから「BR」です。
黒と赤で書き分けができるのは、単にペンが違うだけではなく、スクリーン自体の構造が違うのです。
本来はオフィスの受付や耳の不自由な方の筆談などを想定した商品のようで、見た目もシンプルですね。
ペンは裏側にマグネットでペタッとくっつけられるようになっています。
2カラーせんせいを分解
では、このジッキーを使った交換作業に入ります。
工具として、プラスドライバー1本だけ必要です。
なお、ペンをはさむホルダーの裏側部分にある小さいネジ2本(↓青〇印)は、ペンホルダーを固定するためのネジです。
これは外さなくても分解できるので、わざわざ外す必要はないというか外さない方がいいです。
12本のネジを外せば、このようにパカッと背面のカバーがとれます。
内部にはホコリや細かいゴミが溜まりやすいので、せっかくなので綺麗に掃除しておきましょう。
ジッキースーパーライトBRを分解
続いて、ジッキーの方も分解します。
裏側の4本すべてのネジを外します。
そして表と裏のプラスチックの枠を外すのですが、ジッキーの枠の部分はネジ留めだけでなく、上下の4箇所で、下の写真のように爪でカチッとはまっています。
この爪の噛み合わせ部分は、背面のグレーの枠を外側に向けて軽く引っ張ることで簡単に外せます。
「JIKKYは分解するとプラスチックが割れて元に戻せなくなる」と書かれたブログがありましたがそれは誤りで、実際には破損することなく分解できますし、再度組み立て直すのも容易です。
スクリーンを2カラーせんせいに移植
ジッキーの枠を外すと、スクリーンと、スクリーンの裏面を保護している白いシートが出てきます。
この白いシートは不要です。
せんせいから劣化したスクリーンを撤去したら、ジッキーのスクリーンだけをせんせいに移植すればOKです。
2カラーせんせいのスクリーンとジッキースーパーライトBRのスクリーンは全く同じ形状というわけではなく、周囲の切り欠きの形が微妙に違ったりしますが、それでも全く改造せずにそのまま移植できたので、ほぼ完全互換と言っていいと思います。
ただし、「せんせい」と「ジッキー」はあくまで別メーカーの製品であり、スクリーン交換の可否をメーカーに問い合わせても回答はもらえないと考えるべきです。
また、仕様変更によって今回の修理方法が不可能になることもありえるでしょう。
交換される際はあくまで自己責任でお願いいたします。
【追記】同等品は生産終了してしまいました
この記事は補修パーツが入手不可となった「せんせい」の修理方法として多くの方にお読みいただきましたが、冒頭にも書いた通り、残念ながら同じサイズのジッキーは全て生産終了し、この修理方法は不可能となってしまいました。