閲覧者として見るウェブサイト等で表示される広告ではなく、自分自身で運営しているサイト、すなわちこのブログに表示される広告の話です。
どのような広告が表示されるかは、サイト運営者の側から一定程度コントロールできるのですが、URLごとブロックしているにもかかわらず、いたちごっこでキリがありません。
今回は、不快なコンプレックス広告やその中身について見ていきます。
ブロックしている広告の概要
どのような広告をブロックするかはサイト運営者によって様々です。
「よくあるマンガサイトやアプリの広告は個人的に嫌いなので全部ブロックしている」という人を見たことがありますし、外国語の広告も、頻繁に表示されるならブロックの対象となりうるでしょう。
私が実際にドメイン単位でブロックしている広告の例としては、以下のようなものがあります。
・偽造ブランド品の販売サイト
・「これが日本の(or世界の)真実だ!」系の偏った政治経済や陰謀史観、怪しい自己啓発系の書籍
・大したオチもないのにもったいぶった文章で何ページにも渡って読ませる系のサイト(これは見たことがある人ならわかると思う)
それに加えて私が問題視しているのが、いわゆるコンプレックス広告です。
コンプレックス広告は、広告そのものが不快なだけでなく、「広告とリンク先の中身が関係ない」「ビフォーアフターが明らかに画像加工、もしくは別人」「ブログのコメント欄やSNSの投稿、テレビ放送のキャプションに似せた画像を捏造している」「白衣を着た人物の画像であたかも医師が喋っているかのように見せかけている」等、悪質なものが多いです。
そのうえ、実態として広告のリンク先自体もただのアフィリエイト記事であり、実際に販売している企業としては「関与していない」「そんな効能効果は謳っていない」という逃げ道があるのも問題です。
また、全く別のサイトが同じような画像で広告を出しているために、片っ端からブロックしてもまた違うサイトから同じ広告が次々と出てくるのも困りものです。
では以下、よくあるコンプレックス広告・誇大広告・虚偽広告を例示し、嘘のキャッチコピーについても触れていこうと思います。
最近はブロックする前に広告が配信停止をくらっていたりもしますが、それでもチェックが面倒なので、何とかならないのかといつも思っています。
「ニベアにこれ混ぜるだけ」
まずは問題が大きくなり、既に配信されなくなったこちら。
「ヴィオテラスCセラム」という美容液は、「ニベアと混ぜて使うとシミが消える」というあまりにまずすぎる広告が配信されており、最終的にはニベア花王から公式に無関係であるとの注意喚起がなされました。
お知らせいたします。
「ニベアクリームと●●を混ぜるとシミが消える」という類の広告にニベア花王は一切関与しておりません。
ニベアクリームを、他の製品と混ぜて使わないでください。
他の製品を混ぜると、ニベアクリーム本来の特長や成分の働きなどがそこなわれてしまう可能性があります。— ニベア キャンペーン情報 (@nivea_promo_jp) December 3, 2021
この件はネットニュースにもなり、よくこんな大手のものを無許可で広告に使ってたな、という感じですが、末期には逃げ道確保のためか「ニベア」ではなく「2ベア」や「青缶」といった隠語まで使う始末でした。
「目元のブヨブヨには冷蔵庫のアレ」
少し前からよく見る、現在のコンプレックス広告の主流ともいえるもの。
高齢の男性や女性の目元のたるみを大写しにして「ブルドッグ目元」等と表現した広告です。
これは「アンリンクル」という美容クリームの広告ですが、冷蔵庫は一切関係ありません。
この商品に関して、最近はあまりにも雑な画像加工によるビフォーアフターの広告も見るようになりました。
「飲む腸内洗浄で-17kg。スゴすぎ」
これは「キラリ麹の炭クレンズ生酵素」というサプリの広告で、「脂肪便がドバドバ出て一気に激ヤセ」系のやつです。
「脂肪便」というものは医学的に実在しますが、俗に言う「宿便」のようなものでは全くないですし、もちろん体の脂肪が便として排出されるわけもありません。
「宿便」というものが存在しないと知られるようになり、単にその代わりの表現として使っているだけなのでは?と思います。
この広告はドロドロの脂肪の塊のような写真など、本気で不快な画像が多く、目にするのも嫌だというのが正直なところです。
「黄色い歯には重曹かけるだけ」「黄ばんだ歯には洗面所のアレ」
これも真っ黄色の汚い歯や、真っ黒に固まった歯の裏の歯石(?)の画像が極めて不快な広告です。
「オーデント クリアホワイト」という歯磨きジェルですが、重曹は一切関係ありません。
「洗面所によくあるものを使えば歯が白くなる」という技があるでもなく、普通に歯磨き粉の広告です。要は「これを買って洗面所に置いてください」という意味でしかないんだよな。
なお、吉木りさがメーカーと契約して正式に広告に出演しているようですが、ネット広告では「便所並みの歯の黄ばみは洗面所のアレで一発」と吉木りさ本人が言ったかのような醜悪なものが見られます。
これも本当に大丈夫なのでしょうか?
なお似たような広告として、アンミカ監修の「ミカホワイト」という歯磨き粉もあります。
こちらの広告は本人が登場しているまともなものも多いですが、やはり「真っ黄色の歯も塗ったところだけ真っ白になる」かのような画像を使ったものが一定数あります。
なお、同じような画像が「爆速口臭完全消滅法」と歯科医が言っているかのような広告にも使われていたりします。
こちらは「ちゅらマウス」というマウスウォッシュでした。
「塗ってみな、シミ飛ぶぞ」
医者っぽい男性の画像とともに「シミ飛ぶぞ」と書いているのは「ビハキュア」というクリームの広告です。医者がそんなこと言うかい!
「シミの漂白剤」など、明らかにまずい表現もよく見ます。
また、最近見たものでは顔に塗ったパックを剥がすと同時にシミも全部剥がれて無くなるかのような画像が使われていたりします(これは過去に前述のヴィオテラスCセラムでも似たような画像が使われていました)。
他にも「シミュート」「ハクアージュ」「凛乃華(りのか)」など、似たような広告や雑な加工画像の広告が多くあり、やはり美白系の商品はよく売れるのでしょう。
「10年モノの毛穴汚れがドバババッ」
毛穴から角栓(かどうかすら分からないもの)が大量にブチューっと飛び出すかなりキツい広告は、「POTOLE」というクレンジングでした。
これ系は本当に気持ち悪い広告が山ほどあり、ホラー映画ばりのグロ画像で商品を買う人なんか本当にいるのか?という気がするのですが、いるんだろうなあ。
他にも、本物っぽい巨大な角栓がニュルッと飛び出ている画像の「ミツハダ フェイスウォッシュ」という洗顔料もあります。不快。
「夜のアソコ洗浄で一発激ヤセ」
「FIRA HMB」というHMBサプリの広告ですが、どう書いても柔らかい表現にはならないので直球で書きます。
プリン金髪の汚いデブスがニヤニヤ笑ってる画像のやつです。何がしたいの?
広告のテキストも酷いし、そもそもHMBサプリは主に筋トレをしている人が飲むもので、ダイエットのためにそれだけ飲む類のものですらないです。
「白髪には炭酸かけるだけ」
「b.ris(ビーリス)」という炭酸シャンプーの広告で、「炭酸水をかける」とかそういうことでは一切ありませんし、そもそもシャンプーで白髪は黒くなりません。
「風呂上がりにラップで包むだけ」というパターンもありますが、ラップも全然関係ありません。
言い逃れのためか、小さい子供が泡風呂に入っているような画像が使われることもありますが、なおさら白髪関係ねえじゃねえか。
なお、以前は「b.est(ビーエスト)」という名称だったようです。
「白髪の人はアルミで巻いて 白髪染め2年してない」「10年物の白髪が完全消滅する裏技」
これは本当にクリック誘因の手法として最低だと思ったやつ。
「バランローズKURO」というシャンプーなのですが、ただ単に染色効果のある白髪染めシャンプーです。
もちろんアルミなど1mmも関係ありませんし、当然使うのをやめれば根元から白髪は生えてきます。
「本当に胸が大きくナルンデス」
明らかに狙ったキャッチコピーに加え、酷いのが画像内に明らかにヒルナンデス!のロゴをパクった「ナンデス!」という文字を忍ばせている点です。
訴えられてしまえ。
エラスチンとローヤルゼリーを配合した美肌サプリメントのようですが、育乳効果の明確なエビデンスは特に無いのではないでしょうか。
「愛犬の白内障が目薬なしで簡単に」
人間ではなく犬にも類似の広告があります。
真っ白な目の犬の画像で驚かせるこちらは、「Dr.メニーワン」という、餌に混ぜて食べさせる犬用サプリメントです。
しかし、1ヶ月食べるだけで白内障が治るというのはさすがにまずすぎないでしょうか?
人間より広告の規制が緩いのでしょうか。
定番の謎表現
これらの明らかな嘘広告には、「専門家が暴露」「伊藤家の裏技」「テレビ放送で大炎上」など、情報を補強するような文言が書かれていることも多いです。
しかし、専門家の正体はほとんどの場合謎ですし、これらの商品が実際にテレビで紹介されたことなどおそらくないでしょう。
伊東家の食卓など「若い人は普通に知らないのでは?」と思います。
少し前には「脂肪便」というのもよく見ましたが、最近は見かけませんし、また適当に新しい言葉が次々とでっち上げられていくのでしょう。
実際に売れるからこういう広告が無くならないのでしょうが、いい加減に自浄作用を働かせないとそのうち大規模に規制されるのでは、というかいっそ規制してくれと感じています。