ALBITの光学式コンプレッサーです。
少し小さめな、珍しいサイズ感のエフェクターです。
餅つきうさぎのデザインがかわいいです。
光学式コンプ
私は長年コンプレッサーに関心を持たずに来たクチなので、コンプの分類についても全く詳しくないのですが、ALBITのコンプの特徴としては「光学式(オプティカル)コンプレッサー」であることにこだわっている点が挙げられます。
コンプレッションを行う回路にフォトセルという光センサーのような素子を採用しており、「内部で入力信号に応じてLEDが光り、それをフォトセルが感知してコンプが作動する」という仕組みです。
古くからある原理らしく、音を圧縮するまでの反応は遅いものの、独特の太さが得られると言われています。
Mark2ではなく旧バージョンではありますが、デジマートの動画でベースでの音を聴くことができます。
コントロールの特徴
コントロールは、COMP、MASTERという2つのノブと、INPUT GAIN、COMP EQという2つのミニスイッチです。
COMPでコンプレッションの効き具合を調整し、それによって小さくなった音量をMASTERで調整します。
COMP EQのミニスイッチはFLAT、Gt、BASSの3種類から選択できます。
FLATはいわゆる「エフェクター的な効き方」で、説明書には「低音から高音まで均一に効果を発揮」との記載があります。
COMPのLEDの光り加減からしても、リリースタイム(音の圧縮が解除されるまでの時間)が長く、「がっつり潰す」という感じのかかり具合です。
一方、Gt(ギター)とBASS(ベース)のモードはFLATモードよりもナチュラルな効き具合で、ミドルがしっかり前に出てきます。
また、こちらの2モードは比較的リリースが速いようで、細かいフレーズについてきてくれます。
聴感上、Gtモードの方が低音が出ているように思えるのですが、個人的にはBASSモードでのローをぎゅっと締めたようなサウンドが一番気に入りました。
そしてINPUT GAINスイッチ。
こちらは従来のGC-3になかったMARK2だけの新機能です。
私のベースはパッシブなので、従来と同じであろうNORMALモードで問題ありませんでしたが、これをLOWモードに切り替えれば入力ゲインを落とすことができ、出力の大きいアクティブの楽器にも対応するようなので、不用意に音が歪んでしまうこともないのではないかと思います。
(音の潰れ具合にも影響します。)
音色の特徴
サウンド面での特性ですが、私個人としては初めて体感するタイプの音でした。
よく言う「パコパコ」という感じよりは、ある程度ナチュラルな音質ではあるものの、音がやや硬くなり、COMPを上げていくと押さえつけるような閉塞感とともに独特の太さが加わってきます。
ちょっとパサついて感じなくもない自分のベースの音を、「エレキベース的な美味しい音」にうまくまとめてくれるのが有難いです。
そして意外にも(というのは言い方が悪いですが)、7弦ベースで使った時には低音弦をグッと締めるとともに高音弦には適度な存在感を与えてくれるので、多弦ベース特有の弦ごとのバラつきをうまく補正する用途にも良かったです。
筐体はあまり見ないサイズ感で、いわゆるMXRサイズよりも横幅が少し広い一方、縦の長さは短めです。
少し前に荷物を減らすべくエフェクターボードを小さくしたのですが、その中に問題なく収まるのが個人的に高ポイントでした。
また、コンプはボード内で右端の方に、パワーサプライは左端の方に置くことが多いと思うのですが、この左側面に電源供給のDCジャックがあるのもよく考えられた配置だと感じました。
決して器用とは言えませんし、現代的な感覚からするとやや古臭い音に感じる人もいるかもしれません。
しかし、アクティブ/パッシブ、あるいはギター/4弦ベース/多弦ベースを問わず、このエフェクターが得意とするコンプサウンドをピンポイントで与えてくれる、ある意味で替えのききにくいコンプだと思います。
ていうかデザインが本当に好き。
こちらは上位機種のGC-1↓