私は以前、エフェクター同士を接続するパッチケーブルにFREE THE TONEのソルダーレスケーブルを愛用していました。
そのソルダーレスケーブルについて、作り方にコツがあったこと、それに気付かず何度か失敗したことを思い出したので、今回はそれを書き残しておこうと思います。
【※追記】本記事公開時に記載していた旧型のソルダーレスケーブル用プラグは生産が終了し、ネジ形状による欠点が解消された後継製品が2019年6月に発売されたので、この記事は削除しようかとも考えましたが、旧モデルの欠点を知らずに個人売買などで中古品を購入される方がいるかもと思い、注意点を残す形で内容を訂正しています。
今までのソルダーレスケーブル
そもそもの前提ですが、ソルダーレスケーブルというのは、はんだ(solder)を使用しない(less)ケーブルという意味です。
通常、シールドケーブルやパッチケーブルは、ケーブルとプラグの接点がはんだ付けされています。
それに対し、はんだごて等の工具を使わず、ニッパーやドライバーさえあれば簡単に作れるのがソルダーレスケーブルの特徴で、ちょうどいい長さのパッチケーブルを必要に応じて作れるのが最大のメリットです。
かつてはソルダーレスケーブルの選択肢といえばGeorge L'sぐらいしかなかったと思います。
そのGeorge L'sも、ケーブルは硬くて取り回しが悪く、個人的には通常のパッチケーブルから完全に乗り換えるには至りませんでした。
それに対し、画期的な構造でソルダーレスケーブルの常識を覆したのが、2012年に発売されたFREE THE TONEのソルダーレスケーブルでした。
しなやかなケーブルの扱いやすさもあって圧倒的な省スペース化が可能となった利便性に驚き、私も発売直後から使用し始めました。
基本的にソルダーレスケーブルはあまり頑丈なものではないので、定期的にネジの増し締め等が必要ではありますが、エフェクターがそれまで以上に自由に配置できるようになって嬉しかったのを覚えています。
旧型ストレートプラグの問題点
ただ、このFREE THE TONEのソルダーレスケーブル、L型プラグの方は本当に簡単に作れるのですが、旧型のストレートの方はちょっとコツがいりました。
旧製品はL型とストレートでネジの形状が違ったのです。
(※画像は説明書より引用↑)
L型の方(画像左)は、ネジを締め込んでいくと勝手に止まるので、最後まできっちり締め込むだけでOKです。
一方、ストレートの方(右)にはネジの頭がない「止めネジ」が使われており、どこまでもネジを締め込んでしまえる仕様だったため、「締め込みが足りないとケーブルの皮膜が破れないので音が出ないが、締め込み過ぎても芯線を切断してしまって音が出ない」ということになってしまい、力加減が難しかったのです。
(※前述の通り、現行の製品ではこの欠点は解消されています)
ストレートとL型の使い分け
スイッチャーを用いたエフェクターボードを組む場合は、エフェクター側にL型プラグを、スイッチャー側にストレートプラグを使うことが多いです。
L型よりもストレートのほうがプラグの価格が安いこともあり、私もセオリーどおり、ストレートとL型を使い分けていました。
ですが、旧型のFREE THE TONEのソルダーレスプラグを使うのであれば、作業上の安心感を考えてL型で統一するのもありでしょう。
このソルダーレスケーブルがヒットして以降、多くのメーカーが似たような構造のソルダーレスケーブルを発売し、現在では選択肢も多くあります。
おそらくどの製品も慣れれば上手く作れるものだろうとは思いますが、今回紹介したネジの形状に着目していただければ、失敗なく作りやすい製品を見分けることができるのでは?と思います。
【補足】ケーブルテスターについて
なお、ソルダーレスケーブルを作るとき用のテスターを持っておくと、エフェクターに繋いでから「あれ?音が出ないぞ?」とならずに済むので便利です。
ソルダーレスケーブルを作成する方は、何かのついでにでも買っておきましょう。
ダダリオのこちら↓がDCケーブルのテスター機能も備えていてオススメです。