「踏んでいる間ずっと音が伸びる」という効果を、極めて扱いやすい形でデザインしたエフェクターです。
今思えば機能面にやや不満点もあったものの、「遊べるエフェクター」として非常によくできていました。
電源はDC9Vアダプター(※専用アダプター付属)、電池駆動不可。
コントロールの特徴
エレハモは近年、個性的なアナログエフェクターだけでなく、デジタルエフェクターでも高品質な製品を多くリリースしていますが、その快進撃はFreezeが発売されたぐらいの時期から始まったように思います。
ギターでの動画ですが、オフィシャル動画が非常に分かりやすいのでこちらを。
なお、もはや知っている人も多いでしょうが、冒頭に出てくる変なおっさんがエレハモ社長のMike Matthewsです。
コントロールは、ノブが1つにミニスイッチが1つだけ。
EFFECT LEVELは文字通りエフェクト音の音量で、原音の音量は基本的にそのまま変わらず、「伸びる音の音量」だけを調整します。
12時の位置で原音とほぼ同じ音量になり、上げると「実際に演奏する音よりも後ろでフワーンと伸びている音のほうが大きい」という設定にもできます。
そして、ミニスイッチはFAST、SLOW、LATCHの3モードを切り替えるものです。
FASTモードだと、フットスイッチを踏んだ瞬間からその時点の音が伸び、足を離した瞬間にプツッと止まります。
この「プツッと止まる」というところが若干使いにくいので、基本的にはSLOWかLATCHのモードで使うことになると思います。
SLAWモードは、基本的にはFASTモードと同じですが、フットスイッチを踏むと伸びる音がフワッとフェードインしてきます。
足を離すとこれまたフワッと音がフェードアウトしていくので、FASTモードよりは自然に使えます。
以上2つのモードでは、フットスイッチは「踏んでいる間だけ音が伸び、足を離すと音が止まる」という、いわゆるアンラッチ(モーメンタリー)スイッチの挙動です。
これに対し、LATCHモードではフットスイッチがラッチスイッチ的に働き、踏みっぱなしにしなくても、「一度パッと踏んで離すとその時点の音を伸ばし、もう一度踏んで離すとさっきまで伸びていた音が消えて再度その時点の音を伸ばす」ということができるようになります。
ただし、エフェクトをOFFにするときは二度踏みが必要になります。
音色の特徴
なお、このエフェクター、「踏んだ瞬間のその音を伸ばす」と言う特性上、踏むタイミングによって音が変わるので慣れが必要です。
弦を弾いた瞬間に踏むと、アタック音も一緒に伸びるので、「ビャー」というバグパイプのような音に。
アタック音が落ち着いてから踏むと、オルガン的な柔らかい音になります。
また、他のエフェクターと併用するときは、繋ぐ順番で伸びている音の質感が大きく変わります。
例としてコーラス等のモジュレーションエフェクターと併用する場合は、うねっている途中の音も一緒に伸びると汚く聞こえてしまうので、FREEZEの後に繋ぐのが良いと感じました。
ただ、どんな接続順でも面白いので、ぜひ色々試してほしいです。
エフェクターとしての面白さ
こんなもんベースで使うか?と言われればそれまでなのですが、コードトーンの上でフレーズを弾く練習のための機器として極めて使い勝手が良いです。
ギタリストやキーボーディストがいなくても、一人でフレーズを考える練習ができますし、そうでなくてもイマジネーションを刺激してくれるエフェクターです。
ジャズ系のギタリストが使っているのを時々見かけるのも、それが理由ではないでしょうか。
なお、予算に余裕があるのであれば、大幅に機能を拡張した上位機種のSUPEREGOの方をぜひおすすめしたいです。