【レビュー】One Control Chamaeleo Tail Loop MKⅡ

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2013年、私が初めて買ったプログラマブルスイッチャーがこれでした。
最大5台のエフェクターを接続し、各エフェクターのON/OFFの組み合わせをプログラムできるスイッチャーです。
電源はDC9Vアダプター。

機能面の特徴

当時の私は使うエフェクターの数が増えてボードを組むようになっていましたが、それでもなお、しばらくは全部直列接続にしていました。
しかし、同時に3つぐらいのエフェクターのON/OFFを切り替えたいと思うようになってきた結果、さすがにスイッチャーの必要性を感じるようになりました。
そこで導入したのがChamaeleo Tail Loop MKⅡでした。

このスイッチャーは、5ループぶんのエフェクターをコントロールするためのフットスイッチに加え、独立したチューナーアウトプットと、ミュートスイッチも備えています。
そして、各エフェクターに電源分配を行うパワーサプライとしての機能、さらにインプット部分にはバッファーとして同社の人気製品であるBJF Bufferを内蔵。
盛りだくさんの便利機能を備え、発売当時かなりの注目を集めた商品でした。

旧機種から進化した点と惜しい点

ちなみに、この製品は「マーク2」というぐらいですから、前身モデルとなる旧機種が存在します。
ただ、その旧型Chamaeleo Tail Loopには結構まずい欠点があって、「チューナー1台とエフェクター4台の計5台を接続できるのに、パワーサプライのDCアウトプットが4つしかなく、電源供給機能が1つ足りない」というのは正直設計ミスとしか思えませんでした。
それに対し、このMKⅡはちゃんと「チューナー1台とエフェクター5台の計6台」に電源供給ができるようになっています。

とはいえ、新型にもいくつか惜しい部分があります。
まず、この電源供給機能はきちんと設計されたパワーサプライほどのものではないようで、アナログエフェクターとデジタルエフェクターを同時に使ったりすると、結構なノイズが発生することがあります。
(※アダプターは付属しないため、別途用意する必要があります)

また、当然ながらこのパワーサプライ機能、「繋いだアダプターが出力できる最大電流量」から、「このスイッチャーそのものの最大消費電流(200mA)」を引いたアンペア数しか供給できません。
なので、消費電流が大きいエフェクターを使っている場合、繋ぐアダプターによっては、最悪の場合スイッチャーを含めたシステム全体が起動できない(=足元のシステムが完全に音が出なくなってしまう)可能性があります。
アナログのエフェクターばかりを使うのであればあまり問題にはならないと思いますが、トラブル防止のうえでは結局パワーサプライは別に用意したほうが安心ではないかと思います。

加えて、トゥルーバイパスのエフェクターをON/OFFしたときほどの大きなノイズではないものの、フットスイッチを踏むときに「ボッ」とノイズが鳴ってしまうのも気になりました。
こういった小さな不満が積み重なり、私はこのスイッチャーを短期間で使わなくなってしまいます。

他の製品より優れたポイント

とはいえ、小型軽量で扱いやすいのは間違いないですし、プログラムの仕方も一発で覚えられるほどシンプルなのはかなりの強みです。
より小型軽量なAgamidae Tail Loopというのも出ましたが、そちらはバッファーが内蔵されていないですし、プログラム機能の分かりやすさを見てもこのChamaeleo Tail Loop MKⅡのほうが優位性を保っていると思います。

エフェクターを駆動する電源にさほどこだわる必要が無いのであれば、本当にこれ1台でエフェクターボード構築が完結します。
初めてのプログラマブルスイッチャーとしては今なおオススメです。

【追記】2024年9月、新製品「マーク3」に進化

最新機種としてChamaeleo Tail Loop MkⅢが発売されました。
ディスプレイが追加され、バンクが分かりやすくなっています。
過去製品のいいとこどりと言える進化をしているので、今から買うならこちらでしょうね。

※まだ「2」も多く流通していると思いますので、「3」が欲しい場合は値段だけ見て買わないように注意しましょう。

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