【レビュー】Electro Harmonix BATTALION

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かなり便利なのに、どうも使っている人をあんまり見かけないエレハモの多機能プリアンプです。
エレハモというと癖が強いエフェクターのイメージの人も多そうですが、このプリアンプは非常に使い勝手がいいのが特徴です。
電源はDC9Vアダプター(※専用アダプター付属)、電池駆動不可。

あえて不人気機種を選んだ理由

この製品を選んだのは、私がプリアンプに求めるものをそれなりに満たしており、かつ結構安かったというのが大きな理由です。
そして案外音質に癖がなく、扱いやすいです。
こちらの動画を見ていただくと特徴が分かりやすいと思います。

プリアンプに求める機能

機能面ではまず、私は「プリアンプはアウトプットボリュームとは別にインプットゲインを調整できる方が良い」と考えています。
インプットゲインが全く調整できない機種だと、「入力レベルが小さすぎて音痩せやノイズが発生する」あるいは「入力レベルが大きすぎて不必要に歪む」ということが起こり得るからです。
BATTALIONはインプットゲインの微調整こそできないものの、アクティブベース用に入力レベルを抑えるPADスイッチが備わっており、アクティブでもパッシブでも問題なく使えます。

イコライザーが優秀

そして、プリアンプの要となるイコライザーの使い勝手が非常に良いです。
調整できる周波数は、BASSが200Hz以下、LO MIDが280Hz、HI MIDが750Hz、TREBLEが2kHz以上となっています。

この仕様と実際に使ってみた感触からすると、どうやらベースとトレブルはシェルビングEQ(特定の周波数だけをブースト・カットするのではなく、ある周波数から上or下の帯域をまとめてブースト・カットする)のようで、実際のライブ等ではどちらかというとカット方向で使うのが有用かと思います。
少しカット気味にすると、不要に膨らんだ低音域や、高音域のノイズを簡単に抑えることができます。
そして2つに分かれたミドルコントロールもいいポイントを突いていて、ベース・トレブルをカットしても、ローミッドのブーストで音の太さを、ハイミッドのブーストで音程感を足すことができます。

歪み機能の特徴

私はこのEQの機能だけで購入を決定したのですが、独立してON/OFF可能な歪みチャンネルも備わっており、こちらもなかなか悪くありません。
音色は粒の粗い、ジャリジャリ系のディストーションです。
最近人気のDarkglassのようなモダンでソリッドな音質とは異なり、ハードロックっぽいフレーズを弾きたくなるような暑苦しい歪みです。

この歪みセクションにはLEVEL、BLEND、DRIVE、TONEと必要十分なコントロールが備わっているうえ、イコライザーセクションとの接続順をミニスイッチで選ぶことができます。

PREモードは「歪み→EQ」の順番。歪んだ音を細かく補正できる、太いディストーションです。
POSTモードは逆に「EQ→歪み」の順番。ジリジリ感が強いタイトな歪みになります。
そして、DRYモードでは、歪み音はEQの影響を受けません。このモードでBLENDノブを歪み音100%の設定にしておけば、歪みOFF時のイコライジングに影響を受けない、シンプルなディストーションとして使えます。

その他の機能

コンプレッサーは1ノブで、調整できるのはレシオのみ。
上げていくと昔ながらのパッツンパッツンな音になりますし、リリースが不自然に感じることがありますが、少しだけかけるとナチュラルな太さが得られ、意外と悪くありません。

ノイズゲートも備えていて、歪みのON/OFFにかかわらず使えます。
ただこれはゲートが閉じるのが遅く、歪ませた音でスタッカートで弾くような演奏には全然ついてきません。おまけ程度に考えてください。

プリアンプに必要な入出力は一通り備えており、さらにアウトプットジャックにヘッドホンをつなげば、そのままヘッドホンアンプとして使えます。
こういう使い方ができる機種は少ないのではないでしょうか?
これだけの多機能で安いプリアンプはなかなか多くないですし、エレハモの大味なイメージで先入観を持たずに試してほしいプリアンプです。

【追記】新製品「NANO BATTALION」について

機能を簡略化したMXRサイズのNANO BATTALIONも発売されました。

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