以前、「ギター用のエフェクターはベースに使えるか?」という記事を書いたことがあります。
これの反対の「ベース用のエフェクターはギターに使えるか?」という点については、ブログの趣旨的にこれまで書いていませんでした。
しかし、時々そのパターンで検索で来られる方がいらっしゃるので、自分の経験を記録として残しておこうと思います。
ギター用とベース用
ギター用のエフェクターをベースに使うことについて書いた記事がこちらです。
結論としては、「使えるものも多いが、一部のギター用エフェクターは低音痩せがひどかったり、低音域に全く効かなかったりする」という感じです。
![](https://philosodomy.com/wp-content/uploads/2024/07/ep2-160x99.jpg.webp)
で、その逆パターン。
ベース用のエフェクターをギターに繋いで音を出すとどうなるか?
やはりこれも使えるものと、ギターには向かないものに分かれます。
ギターに合うベース用エフェクターの例
うまく使えるものとしては、「ギター用エフェクターをベース向けにアレンジしたもの」が挙げられます。
例えばエレハモのベース用ファズであるBASS BIG MUFFシリーズは、本来ギター用であるロシア製のビッグマフ(※元々ベーシストにも人気が高い)の流れをくむものです。
ベース向けに追加された機能であるDRYモードは、「エフェクトOFF時と同じ音量の原音を足す」という特性上、ギターに使うには正直バランスが悪いのですが、歪みの質感自体は当然ギターにもばっちりです。
ピッチシフト系のエフェクターでベース用というと、Bass Whammyがあります。
Whammy 5とBass Whammyは実際に両方所有して比較しましたが、高音域の検出範囲は変わらない一方、低音域はベースワーミーの方が検出能力が高いので、ギター用のワーミーよりベースワーミーの方が優秀とさえ言えます。
ダウンチューニングや多弦ギターに使うのであれば、むしろベースワーミーの方が良いかもしれません。
![](https://philosodomy.com/wp-content/uploads/2024/07/whammy-160x99.jpg.webp)
そのほか、コーラス等のモジュレーションは、ベース用のものだと低音域までしっかり揺れるものが多いですが、それをギターに使っても特に違和感がないことが多かったです。
音色や使い勝手が気に入れば、ベース用のモジュレーションエフェクターをギターで使うことには何の問題もないと言っていいでしょう。
ギターに合わないベース用エフェクターの例
一方、「ベース用に設計された歪みエフェクター」の多くは、ギターに使うと「ダメだこりゃ」という感じでした。
実際にベース用歪みの大定番、BOSSのODB-3をギターで試したことがあります。
これはバリバリと強烈に歪む高音域が特徴です。
しかし。
ODB-3をギターに繋いてみると、BALANCEをOD側に振り切って原音が混ざらないようにし、そのうえでGAINを上げてもなぜか芯まで歪みきらないような、なんとも変な感覚になってしまう音でした。
EQのLOWを上げると変にボワつくし、だからといってカットするとペラペラの音になるし、HIGHは上げてもシャーシャーいうばかりでギターのアタック感にはいまいち効きません。
さらに、低音が出過ぎているためかブリッジミュートはどう弾いても「ブズんっ」というキレの無い音になってしまう等、こちらの動画での音の印象以上にかなり特殊な効果を狙うのでもない限りギターには合わないと感じました。
ただまあ、そうは言ってもエフェクターなんか好みの音が出るものを使えばそれでいいのです。
中にはギタリストにとって「求めていた音はこれだ!」というものがあるかもしれません。
ベース用のエフェクターにギターを繋いだところで、壊れるなんてことはそうそう起こりえないわけですから、やはり「ギター用かベース用かは関係なく、自分が一番気に入ったものを使う」というのが一番重要なことだと思います。