【レビュー】Tech 21 SansAmp BASS DRIVER DI(旧型)

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定番中の定番であるベースプリアンプです。
長年に渡って愛用者の多い、ベーシストの定番アイテムと言えます。
※なお、この記事は基本的に現行のVer.2ではなく旧型に関しての話になります。

プリアンプ?エフェクター?

「サンズのベードラ」といえば、足元にアウトボードプリアンプを置くのが一般的ではなかった時期からベーシストの足元にあった、まさに定番のプリアンプだと思います。
リターン挿しによりパワーアンプを駆動する、文字通りの「プリアンプ」として使うことも可能です。

【リターン挿し?】プリアンプとイコライザーの違いとは何なのか
エレキベース奏者の足元において、もはや定番と言える存在となった「ベース用プリアンプ」と呼ばれる機材。 しかし、それを「そもそもプリアンプって何?エフェクターの一種?」「イコライザーと何が違うの?」と思ってネットで調べてみても、いまいち要領を...

ただ、私はこれを音作りのプリアンプというよりも完全に歪みエフェクターとして使っていました。
10年ぐらい前には、アマチュアミュージシャンならそういう使い方をしていた人が大半だったように思いますし、今でもディストーションペダルとして使っている人を見かけますね。

本記事作成時点においてYouTubeで一番再生回数が多い動画がこちら。
まさにそのサウンドの特徴をとらえています。

コントロールの特徴

私が所有していたバージョンのコントロールは、LEVEL、BLEND、TREBLE、BASS、DRIVE、PRESENCEの6つのノブと、PHANTOM & GROUND CONNECTのスイッチでした。
旧バージョンでも、製造時期によってスイッチが増えているものもあります。

LEVELで全体の音量、BLENDで原音とエフェクト音(サンズアンプの回路を経由した音)のブレンド具合を調整できます。
TREBLE、BASSは高音域と低音域にそれぞれ効くイコライザーです。
このイコライザーはBLENDを100%原音にしていても効きます。

DRIVEが歪みの調整で、かなりジャリジャリした感じのディストーションです。
そして、PRESENCEはTREBLEよりさらに上の音域を調整できます。
個人的には、TREBLEを上げつつPRESENCEを下げ気味にすることで、アタックを強調しながらもノイズを抑えた音が作れるのが気に入っていました。

PHANTOM & GROUND CONNECTのスイッチは、ファンタム電源から電源供給を受けるかどうかの切り替えです。
XLR端子を繋いでいる場合は、これで48V駆動することが可能になります。
実際にこのファンタム駆動を試したところ、電池駆動と比べるとレンジが広がった感じの音になる一方、ノイズが増えるという欠点もありました(※他であまり聞いたことがないので、私が使用していた個体特有の症状かもしれません)。

音痩せについて

で、昔から言われていることですが、「BASS DRIVER DIは繋いでONにするだけで音痩せする」という意見があります。

確かに、DRIVEを下げた状態でBLENDを原音100%からエフェクト音100%にしていくと顕著ですが、低音域が削れるとともに、おそらく500Hzあたりのミドルもがっつり削れていきます。
これを「音痩せ」と呼ぶのは違う気もしますが、かなりドンシャリな音になってしまうのは確かです。

これが好みの分かれる部分で、ベース単体で聴くとかっこいい音なのですが、バンドの音の性質によってはベースが埋もれてしまいがちです。
私がこれをかけっぱなしで使わなかった個人的な理由もここにあります。
ただ、それを前提として音を作る分には低音がボワつかず、だからといって軽くもなりすぎない、ジャリジャリに歪んだ音を作れるというのが結構便利で、定番機種だけあって上手くハマればかっこいい音が作れるのは間違いありません。

なお、2014年に日本限定で「5弦ベースにも対応」「低音が痩せない」と銘打って発売されたBASS DRIVER DI-LBを経て、現在はそこからさらに進化したBASS DRIVER DI V2が流通しています。
V2は低音痩せが改善されているだけではなく、ミドルコントロールが追加されており、最近の中音域重視の音作りにも対応しているので、旧型と比較するとV2の方が使い勝手は良いと言えるでしょう。

ただ、(そもそもBASS DRIVER DIは製造時期でけっこう音にバラつきがあるのですが、)新型は旧型と比べるとあっさりした感じというか暑苦しさが控えめな音質になっています。
そのため、あの「特徴的なサンズベードラのドンシャリディストーション」を求めるのであれば、旧型を中古で探した方が確実に「あの音」が出せると思います。

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