名前に「ベース」と付いた一番最初のビッグマフです。
「今まで一番たくさん買ったエフェクターのジャンルは?」と聞かれたらたぶんファズなんですが、その第一歩がこれでした。
私にとって、いわゆる「沼にハマった」の第一歩といえる一台です。
ベースビッグマフの概要
エレハモのBig Muffは、大きく分けてアメリカ製とロシア製の系譜が存在します。
そのうち、昔からベーシストに人気があるのはロシア製のほうです。
ディストーションっぽくて使いやすい、という話もよく聞くんですが、それ以上に中低音がモリモリ出るところがベースに合うんですよね。
エレハモの製品が大型の鉄板折り曲げ筐体から現行の筐体に移行した後、ロシアンマフの系譜として販売された最初のBig Muffがこの初代ベースマフになります。
こちらの動画がその特徴を分かりやすく捉えています。
コントロールの特徴
コントロールは、音量を調整するVOLUME、音質を調整するTONE、歪み量を調整するSUSTAINの3つのノブと、「BASS BOOST/NORM/DRY」の3モードを切り替えるミニスイッチです。
VOLUMEは歪み音の音量で、SUSTAINが歪みの深さ、いわゆるゲインの役割なんですが、TONEノブはギターやベースのトーンとは挙動が違うので、初めてだと戸惑うかもしれません。
ギターやベースの本体のトーンノブは「ローパスフィルター」で、全開でフラットの状態。絞っていくと高音域を削って低音域だけが出力されるのが分かると思います。
一方、ビッグマフのトーンは、「上げるとローカット、下げるとハイカット」のような動きをするので、トーンを全開にすれば低音スカスカ高音ギャリギャリの音に、絞っていくとひたすら低音だけのブボボボという音になります。
各モードの特徴
以上がBig Muffシリーズ共通の特徴なのですが、このBass Big Muffはモード切替によって多彩な音作りができます。
NORMがノーマルモードで、先に書いたようなTONEの効き方です。
BASS BOOSTは、低音をブーストするというよりTONEが普通のローパスフィルターのように効くようになるモードです。
TONEがゼロのときはNORMモードと同じ音ですが、そこからTONEを上げていっても低音が損なわれず、低域から高域まで歪んだ攻撃的な音を出すことができます。
DRYモードはNORMモードに原音を加え、音の芯を残して歪ませることができます。
ただ、原音の音量は常に一定(エフェクトをかける前と同じ)なので、音量調整に注意が必要です。
DRYモードにしてTONEを全開にすると、元々のベースの音にギャリギャリした高音域だけの歪みが加わり、音程感を維持しつつも派手な音が作れます。
ロシア製のビッグマフと比較すると、このBass Big Muffの方が高音域に硬さというかアタック感があり、現代的なまとまった音だと感じたので、それを「面白みがない」と評価する人もいるようです。
ただ、エレハモの昔のエフェクターは製造時期によって音がかなり違ううえ、同じ時期の同じ製品でも個体差があったりします。
このBass Big Muffを「探し求めていたビッグマフの音だ!」と言っている人を見たこともあるので、人の意見に流されず気に入ったものを使うのが一番だと思います。