話題の新製品です。
私は楽器を始めた10代の頃からマルチエフェクターの操作感がずっと苦手なのですが、以前から「スマホは普通に使えるわけだし、タッチパネルのマルチエフェクターで安いのがあれば1回使ってみたいなあ」とずっと思っていました。
そんな折、いいタイミングでHOTONEのAMPEROシリーズの新製品として安価なモデルが発売されたので購入してみました。
あくまで「軽く触った感想」程度ですが、マルチエフェクター超苦手人間としての所感を記録として書いておきます。
触ってみた率直な感想
サイズ感としてはBOSS2台ぶんより一回り小さいぐらいでしょうか。
これは試しに小さめのエフェクターボードに仮置きしてみた様子です。
この大きさならボードに入れやすいですし、消費電流500mAというのも、最近のパワーサプライなら給電できることが多そうです。
付属のアダプターには0.4A(=400mA)の記載があったので、実際の消費電流はもうちょっと小さいのかもしれません。
ただ、電源の問題は、パワーサプライの仕様によって「他にどのようなエフェクターを使っているか」などに影響を受ける場合があります。
動作の不安定やノイズの発生等に繋がる可能性もあるので、電源については実際に使用する環境で検証したほうがよさそうです。
まあこれは電気を食うデジタルエフェクター全般に言えることですね。
付属品としてはアダプターのほか、USBケーブルやフットスイッチハットもついてきます。
詳しい説明書は付属しておらず、最近よくある「ダウンロードして確認しろ」という形式です。
で、肝心の音ですが、技術の進歩を感じるの一言です。
ベース用だけでなくギター用も含め、プリセットを一通り鳴らしてみましたが、どれも音がカスくないというか、当然ながら昔のマルチエフェクターとは大違いで、「ちょっとエディットすれば余裕で使える音」という印象です。
その操作もタッチパネルでの表示は分かりやすく、少し前のBOSSやZOOMのマルチエフェクターの操作がどうしても慣れなかった自分でも、感覚的に音作りができると感じました。
じゃあ何がダメだったのか
しかし、個人的にはどうしても「よし!これをエフェクターボードに入れときゃそれでOKだ!」とはなりませんでした。
その理由はひとえに「やっぱり完全に直感的にいじれるコンパクトエフェクターの方が圧倒的に好き」ということになる(やっぱり物理ノブはほしい)のですが、他にも少し気になる点がありました。
まず、ベース用歪みのドライミックスに若干の違和感があった点。
歪み音とドライ音の分離感がちょっと強すぎて、自分の好みからやや外れていました。
まあこれはエディット次第でどうにかなるのかもしれません。
最大の問題は、ボリュームスウェルが私の求めるレベルに達していなかったことです。
これ、ほとんどの人にとっては大した問題ではないと思うのですが、自分にとっては一番重要なことでした。
アナログのスローギア系エフェクターと比べればかなりマシではあるものの、エレハモPOG2のボリュームスウェルと比較するとどうしても見劣りするのが正直なところです。
どう設定してもこんなこと↓をするには力不足でした。
やっぱりPOG2ってすごい!
まあ、文句をつけるとしたらそれぐらいなので、本当に「最近の機材は安くても使える」を体現するものではあります。
いわゆる「変な音のエフェクター」はあんまり無くて、「基本的なエフェクターが一通り揃っている」という感じなので、キワモノを求める人には物足りないかもしれません。
しかし、「小さめのマルチエフェクターに空間系を任せる」みたいな用途なら十分な仕事をしてくれると思いますし、コストパフォーマンスは抜群といっていいでしょう。
エフェクターを減らしたい方には結構オススメできると思います。